休みだろうと

秋大はベスト8止まり。そのため明治神宮大会の出場資格を得られず、シーズンオフを迎えた。

その後直ぐに行われた中間試験。前回の反省を踏まえたせいか赤点を誰一人出さずに済んだ。

1日オフが貰えたため、何をしようか頭を悩ませる。
試合は先輩たちが見に行ってるだろう。データ集めは授業中内職でやっているし、備品点検もこないだやったばかり。

貴子に連絡すると今日はお母さんとショッピングをするらしい。たまには息抜きも大事だ。

とりあえず学校に行こうと制服に腕を通した。


学校に着くとほとんどの人がバットを振っている。一年生も例外ではない。さすが青道。思わず笑顔が溢れた。

「あ?テメェ、今日はオフだろうが」
「伊佐敷君たちこそ」
「ニヤついてんじゃねぇ!」

室内練習場の入り口で伊佐敷君が寄ってきた。よく私に気がついたなこの子。

「#name4#!来てんならワシの練習に付き合え!」
「はい!」

突然の東先輩の怒号にも瞬時に対応できるのは日頃の賜物だ。
先輩の元に駆け寄り、球出しをする。その後、他の先輩たちの自主練にも付き合った。
正直ダメ出ししたくなったが、さすがに先輩相手に言えるわけない。…来年から言う、絶対言う。

「なんでコイツが燃えてんだ?!」
「おい#name4#!オーラ仕舞え!」


お昼時、先輩たちに誘われ食堂に来た。沢山の寮生で賑わっていて少し圧倒される。

「うわ…そんな量、毎日食べてるんですか」
「ったりめーだろ!」
「#name4#も食うか?」
「白石先輩、冗談よして下さいよ」

先輩達は早々と食べ終わり、先に食堂を出て行ってしまった。男子高校生ってすごい。
一人でお弁当を食べていると小湊君とテツ君が両隣に座って来た。向かいには増子君、伊佐敷君が座る。君たち圧が凄いよ、特に伊佐敷君。直ぐにメンチ切らないの。

「随分先輩達と仲良いじゃねぇか!あぁ?!」
「僻まない僻まない」
「僻んでねーよ!」

皆の昼食も凄い量。彼らもこんだけ毎日食べているのか。
夏直前合宿をした時はマネージャー向けの量だったし、選手と時間帯をズラして食べていたから知らなかった。思わず写メって貴子に送る。

「…小湊君、しれっと私のお弁当におかず紛れ込ませないで」
「バレた?」
「さすがに見逃せないよ」

一年生は先輩達とは違い、苦戦しながら食べている。その姿が少し可愛くて顔が緩んでしまう。

「だからニヤニヤしてんじゃねーよ!気持ちわりぃ!」
「なんかその表情腹立つんだよね」
「いたいいたい」

小湊君は私の頬を伸ばしきるつもりなんだろうか。

「シロ、卵焼きくれ」
「はいはい、あとこれもいるんでしょ?」
「それ#name4#の手作り?」
「そうだ」

だからなんでテツ君が誇らしげに答えるの。


その夜、伸一郎から珍しく連絡があった。彼はどうやら西東京の成孔学園に行くらしい。対戦する日が楽しみだ。激励をメールにしたためて携帯を閉じた。

御幸君は青道に来ると言っていたし来年は面白くなりそうだ。