クリスマス準備

合宿三日目。今日はクリスマス。
今日だけは特別に夜ご飯やケーキをマネージャーが作る。先輩曰く、毎年恒例らしい。

「今年はどんなケーキにしようかなあ」

朝食を食べていると先輩がぼやいた。貴子が口を開く。

「去年はどんなだったんですか?」
「ボールの形にしたんだよね」

確かに白色だと生クリームで作りやすいだろう。ふむ、と三人で考え込む。ふっと頭に浮かんだ。

「じゃあ野球帽なんてどうです?」
「…なるほど!うん!良いかも!」

その案が採用され、野球帽型のケーキを作る事に。他のメニューは調理師さんと話し合って決めた。

「そーいや#name4#、クリスマスお誘いなかったの?」

先輩はニヤニヤを隠そうともしない。昨晩からかいまくったのを相当根に持っているらしい。

「ありましたよ」
「やっぱりー?何人に誘われたのよ!」
「私より多分貴子の方が凄いですよ?」
「本当に?!ちょっと貴子!詳しく!」
「ええっ!ちょっと!眞白?!」

貴子は顔を真っ赤にさせた。うん、可愛い。

この子、本当にモテるんだけど美人すぎるから高嶺の花と言われている。そのせいかイベント事があるとハードルが低くなるのか声をかけられる率が高いのだ。

「先行って午前練の分の準備してますねー」
「いつの間に?!」
「食べるのはやっ!」


皆より早く食べ終わった私は一人Aグラウンドでトンボがけをしていると。

「トンボがけ、代わるぞ」

いつの間にかテツ君が側まで来ていた。全く気づかなかった。

「ちゃんと朝ご飯食べた?」
「もちろんだ」
「三杯?」
「もう慣れた」

彼は不敵に笑って見せる。ふと見上げる視線が前より高くなっている事に気がついた。背、伸びたなぁ。

「じゃあ一緒にやろっか」
「……わかった」


二人でトンボがけをしていたら今度は一年生数人がやって来た。皆食べるのが早くなった証拠だ。

「おい!哲!テメェ!先行ってんじゃねぇぞ!」
「純が三杯目に手こずってたのが悪いんでしょ?」
「俺は五杯食べた」
「テメェは食い過ぎなんだよ!」


午後練の最中、三年の先輩マネさんも合流しケーキと夕食作りに励む。少し時間が余ったので飾りも用意してみた。

「うん!良い感じじゃない!」
「先輩が砂糖と塩を間違えそうになった時は終わったって思いましたけどね」
「減らず口を叩くのはこの口かなー?」
「いたいいたい」

三年の先輩マネさんとこうして絡めるのもあと少し。学校で会えるとはいえ部活で会うのとはまた違う。自分が三年になった時はできるだけ顔を出そうと心に決めた。

先輩や貴子と話していたら部員達が食堂に部員が顔を出し始める。ワッと歓喜の声が上がった。

「うわぁ!うまそう!」
「ケーキまである!」
「これ全部マネさん達が?!」
「伊佐敷!顔ちけぇぞ!」

これだけ反応があると作りがいがある。先輩マネさん達や貴子を見ると嬉しそうにしていた。