今日は日曜日。午前練のみで午後はオフ。用事があるため珍しく私服に腕を通した。久しぶりすぎてこんな服あったっけ?と箪笥の前で問答してしまうくらい。
私は鳴の入学祝いに何か買おうと思い、駅ビルにやって来た。ふらふらと見て回るもののピンと来る物がない。
彼は何を上げたら嬉しいんだろうか。そもそも受け取ってもらえるか分からないけど。
ふと雑貨屋の中から聞き覚えのある声が聞こえて来た。
「亮介!ふざけんな!テメェが入れって言ったんだろうが!」
「純と可愛い雑貨が似合わなすぎて」
「テメェ!あと増子!腹の音がうるせぇんだよ!」
「す、すまん…腹減って力が…」
「アンパンマンかよ!」
「顔の交換が必要か?」
「哲って意外とノリが良いよね」
雑貨屋から出て来たのはテツ君、伊佐敷君、小湊君、増子君の四人。彼らも私服でどうやら買い物に来たみたいだ。男の子四人で買い物だなんて微笑まし過ぎる。
向こうも鉢合わせたら嫌かと思い、回れ右をしようとした時。
「あ」
「げっ!#name4#?!?!」
見つかってしまった。
こうなってしまっては仕方ない。笑顔で彼らに向き直った。
「皆んなでお買い物?」
「まあ…そんな感じ」
「テメェには関係ねぇだろ!」
「ああ、選びに…」
テツ君が何かを言いかけたら増子君が慌てて彼の口を押さえる。伊佐敷君は後ろからど突いているし小湊君は怖い笑顔でチョップをお見舞いしていた。
「おーい、何か良いの見つかったかー?」
「ん?何遊んでんだよお前ら」
すると向こうから野球部一年の集団がやって来た。君たちは本当に固まるのが好きだな。
「#name4#?!何でここに?!」
「マズくね?!」
そんなに動揺しないの。
悪いことをしていたら親にバレたみたいな反応に少し笑いそうになる。
ただ彼らの買い物の目的は何となく察した。
「皆んな野球部以外にも友達作りなよ?」
「余計なお世話だっつーの!」
「はいはい、じゃあまた明日ー」
食ってかかって来る伊佐敷君を交わし、その場を離れる。さて、私も買い物を続けないと。
「やけにあっさりしてねぇか…?」
「#name4#ならもっと何か言って来ると思ったけどな…」
「何か怪しいな…」
後ろ、うるさいぞ。私の好意にイチャモン付けないで欲しい。
結局鳴の入学祝いは赤のネックウォーマーにした。贈った所で直ぐ使えないけれど、これが一番しっくり来たのだから仕方ない。
鳴の家に寄ってそれをポストに入れてから帰った。直接渡して拒否られたらさすがに私も辛い。
夕飯を食べている時、舞お姉ちゃんと澪お姉ちゃんからメールが来た。どうやら受け取っては貰えたらしいが「直接渡さないとかどういう神経してんの?!あー腹立つ!」とか「ネックウォーマー?!冬まで使えないじゃん!馬鹿なの?!」とか言って散々貶していると書いてある。まあいっか、受け取って貰えただけ良しとしよう。