六魔将軍

しきりなおして。
一夜さんの話しによると、北のワース樹海に古代人たちが封印した強力な魔法があって、その魔法がニルヴァーナである。

あたしたちの目的はもちろん六魔将軍を倒すことだけど、六魔将軍がニルヴァーナを手に入れることを阻止することも大切って感じ。

えっと、青い天満の三人組の一人、ヒビキて人の魔法で六魔将軍の六つの画像がでてきた。
毒蛇を使う魔導士コブラ。スピード系の魔法を使うレーサー。天眼のホットアイ。心を覗ける女エンジェル。情報が少ないミッドナイト。そして六魔将軍の司令塔ブレイン。
たった六人なのに強いんだ。あたしたち何人だっけ、1、2、3………13人か。あ、ティアたちいれて16か。約三倍だから勝てるよね、うん。

あたしたちの作戦は戦闘だけにあらず、拠点を見つけて全員をそこに集めたらいいらしい。
集めてどうするの?


「我がギルドが大陸に誇る天馬、クリスティーナで拠点もろとも葬り去る!」
「魔導爆撃艇!?」

「てか、人間相手にそこまでやる?」
「そういう相手なのだ。よいか、戦闘になっても決して一人で戦ってはいかん、敵一人に対して必ず二人以上でやるんだ」

「おしっ!燃えてきたぞ!六人まとめてオレが相手してやらァー!!」
『うぎゃっ!』
「アリスちゃーん!」


え?何であたし浮いてるの?
てか風を感じるんだけど。今どういう状況?

あれ、たぶんナツに引っ張られてる。あたしのことあの青い猫ハッピーと間違ってるんじゃないの?体重全然ちがうし、間違う要素どこにあるのよ。


『あのー、ナ、ツ?(で、合ってるよね!?これで名前間違ってたらごめん)』
「ん?て、ハッピーじゃねえ!」
『やっぱりか』
「ま、いっか。走れー!」
『むりぃぃぃぃ!!』


ナツ元気すぎるでしょ、元気なのはいいけど。
後ろからはエルザとグレイを先頭にみんなが走ってくる。あれ?一夜さんとジュラさんは?


「見えてきた!樹海だ!!」
「待てよナツ!」
「やーだねーっ」
「一人で先走るんじゃない!」


走り続けていたら急に大きな音が聞こえてきて、それと同時にナツが止まった。グレイは結構近くにいたみたいでナツに、正確に言うとあたしにぶつかって見事ドミノになった。

なんかこの状況って喜べばいいの?
イケメン二人にサンドイッチされてるって。でも彼氏いない歴=年齢のあたしにはこの状況はヤバい。しかもイケメンだから余計心臓がバクバクなってるし。

みんなが空に浮かぶクリスティーナを見て感動している中、あたしは一人戦っていた。この状況と。

今度は何か破壊される音が聞こえ、みんなの驚きからしてクリスティーナが破壊され落とされたらしい。


「どうなっている!?」

「誰か出てくる、」
『うー、くるしー』
「あ、わりぃ…!」


うわぁ!グレイがこっちに顔を向けたから超至近距離になるわけで。向こうも顔が近いことに驚いたのか顔を赤くしてバッとどいた。はやいな。


「六魔将軍!」

「うじどもが、群がりおって」
「君たちの考えはお見通しだゾ」
「ジュラと一夜もやっつけたぞ」


やっつけた?ジュラさんと一夜さんを?
嘘だろ?あの二人すっごく強そうだったじゃん!ありえないから!ほんと。


「まさかそっちから現れるとはな…」

「「探す手間がはぶけたぜーっ!」」


急に走り出したナツとグレイ。あたしの横をすごい早さで通っていった。けど二人が攻撃をする前にブレインの指示によってレーサーが動き二人とも吹き飛ばされた。

ナツとグレイの名前を叫んだルーシィの方を見れば、ルーシィが二人いた。ルーシィの魔法って何?分身?なわけないよね。
エンジェルがそれを見てニヤリとしていたので、おそらく彼女の魔法だろう。

みんなそれぞれ戦闘のため動き出したけど、あたしはウェンディと一緒に大きな岩に隠れ中。


「ひえ〜」
「だらしないわよ!アリスも!」
『いや、怖くはないけどウェンディを一人にできないし。ね、ティア?』
「こここ、怖くないけどアリスちゃんはいかなきゃなの!」
『あたしがいくならアンタも道連れよ』


なんて言ってる間にみんな倒されていて、立っているのは六魔将軍だけだった。
あ、あたしいかなきゃ…!でもウェンディを放っておく訳にはいかないし。どうしよっか、


「ゴミどもめ。まとめて消え去るがよい。…常闇回旋曲………!」


ブレインの魔法で大気が震えたかと思ったら目があった、ブレインと。たぶんウェンディも。
これはヤバいかも。


「どうしたブレイン!なぜ魔法を止める!?」

「………ウェンディ」
「え?え?」
『逃げて、ウェンディ』
「それに、アリス」
『は?』


なんであたしのこと知ってるの?
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