最近、ていうか剣城くんと関わってから幸せな毎日をおくることができてる。
お弁当も作れるからもっともっと頑張らないと!
あ、剣城くん用のお弁当箱買って帰ろっかな。
お昼時間が少なくなってきてる中、お弁当を食べ終わってサッカーの話で盛り上がるみんなの輪に入って会話を聞いていると、一番聞きなれた声で自分の名前が呼ばれた。
「美羽〜」
『!玲央くん!珍しいね一年の教室に来るのって』
私が名前を呼んだことで葵ちゃんをはじめ、みんな玲央くんに気が付いた。
「あ!玲央先輩!こんにちは!」
「「こんにちは!」」
「………」
「よっ、いつも元気だな。剣城も挨拶ぐらいしろよな〜」
『ちゃんと頭下げてたじゃない!見てなかったの?』
「声に出してこそ意味があるもんだろ!」
『玲央くん慕われてないだけじゃないの?』
「んだと!」
『用がないなら教室戻れば?私たちの時間の邪魔しないで!(主に剣城くんとの)』
バチバチ視線で対決していたけど、玲央くんは当初の用事を思い出したのか手をパンと叩いた。
「あ、そうだ、ちょっとこい」
『…はーい。ごめんねみんな、ちょっと話してくる』
「いいよ〜、ごゆっくり〜」
剣城くん達には今のやりとりに呆気を取られながら、葵ちゃんには手を振られながら許しが出たので玲央くんと一緒に教室の隅に移動する。
「今朝病院から連絡があってな、今日は診察にこいって」
『え、まだ前行ってから日が経ってないよ?』
「この前の試合、テレビで見て気付いたらしいぞ」
『うっ、ばれたか』
「ばれたかじゃねーよ。んでまあ、一応診察したいんだとよ」
『はあ、めんどいけどしかたないよね。なんで玲央くんに連絡があったの?』
「お前に連絡してもめんどくさがって来ないだろうからって、俺から頼めって言われたんだよ」
『ああ、なるほどね。わかったありがと』
「んじゃ、俺は戻るわ」
『それだけなら携帯で送ってくれたらよかったのに』
「携帯家に忘れてよ」
はは、と笑う玲央くんに私は呆れしかない。
大事な連絡手段を家に忘れるなんて阿保だ。
そんな私の視線に気付いたのか、最後に頭にチョップだけ残して素早く去って行った。
くそう、やられた…
幸せな時間を潰されて、ほんと、最悪だ。
席に戻ると葵ちゃんはニコニコしながらこっちを見てる。
え、なに?
『どうしたの?』
「ん?何もないよ」
「美羽って玲央先輩と仲が良いんだね!」
『えー、西園くんにはそう見える?』
「うん!何だか誰も入り込めないような、そんな感じがしたよ!」
『まあ、あれでも大切な家族だからね〜』
「え?」
「は?」
あれ?なんかおかしなこと言ったかな、
話をしてた西園くん、それに剣城くんまで驚いてる。
『え、なになに?』
「家族って、」
『うん、家族だよ?ああ見えてもお兄様』
「ええええ!?兄妹なの!?初めて知ったよ僕!」
『え!?でも玲央くんの事名前で呼んでたじゃない、』
「それは天馬が呼んでるから僕も流れで、」
『ま、さか、剣城くんも知らなかった、?』
「…ああ」
嘘だ。
そもそも名字が同じで、まあ見た目は似てないけど、タメで話してるのに気付くでしょ!?
「そういや、二人とも日向だね」
『そうだよ!そこで気付いて!』
「…(こいつの名字忘れてた)」
「僕、てっきり二人は付き合ってるんだと、」
『ええ!?やめてやめて!!!』
西園くんの現実ではありえない想像に全力で否定する。そんな私の前でつまらなさそうにほっぺたを膨らましてる葵ちゃん。
「あーあ、なんでバラしちゃうかなあ、おもしろかったのに!」
『あなたの仕業ね、葵ちゃん』
「仕業もなにも、私は二人はお互いが大切で、とても仲良しとしか言ってないわよ」
『それ誤解招くからやめてね』
さっきのにこにこしてたのはこれか。
もう、危ない。剣城くんに誤解されちゃうとこだったじゃない。
松風くんも何で兄妹ってこと言ってないの。
「みんな知ってると思ってた、」
『それは私も同感です』
でもまあ、おかげで変な誤解招かなくてよかった。
西園くんがまだ驚いて、松風くんにその興奮をぶつけてる中、葵ちゃんが私に耳打ちをした。
「まあ、私は予想外な収穫ができたからよかったけどね」
『予想外な収穫?』
「そ!」
その葵ちゃんの視線の先には剣城くん。
何か二人で話してたのかな?
…気になる。
『剣城くんの事?』
「まあそんなとこかな!あ、でも教えない!」
『え!けち!!』
「美羽と玲央先輩が兄妹ってばらしたから駄目!」
『そんなあ!』
「諦めてね!(もしかしたら、剣城、)」
私がチラッと剣城に視線を送ると、美羽の事をじっと見つめていた。
こんなに見つめられてるって知ったら、あの子倒れちゃうんじゃないかしら。
でも、やっぱり剣城は…
美羽次第ってことかな、がんばれ。