20




帝国の地下でレジスタンスの活動が行われていると知ってから、サッカー部の気合は一段と入った。
毎日朝練と、放課後みっちりサッカーをしているのを帰る時に、横目で見るのが私の日課になっていた。

松風くんには何か秘められた力があるみたいで、剣城くんがそれを引っ張り出そうと、練習に付き合っている。
それにしても剣城くんかっこいい。

たまに足を止めて芝生の上で座りながら見る時もあるけど、日が沈む前には必ず家に着くようには帰っている。

決勝の相手は海王学園で、全員がシードとのこと。
全員シードのサッカー部ってどんなのかな、とか考えるけど、考えても関係ないのですぐに頭から消えた。

そんな毎日を繰り返していると、あっという間に決勝戦当日。
なんと今日は優一さんと病室で観戦してます。


「それにしても、本当に試合会場に行かなくて良かったのかい?」

『え、どうしてですか?』


優一さんに誘われたけど、もしかして冗談だったとか…


「京介の応援に行かなくて」

『ぬええ!?剣城くんの!?いいいいいんです!!私は!画面越しで見れるだけでも幸せですから!!』

「そ、そうなんだ(京介は幸せ者だなあ)」


優一さんは私の勢いに押され苦笑いを浮かべていた。どうしよう、少し引かれたかもしれない。


「あ、始まったみたいだよ」


優一さんに言われ、画面越しで試合を見る。
海王学園が先制点を取るのはあっという間だった。しかし、すぐに態勢を立て直し、剣城くんが相手ゴールにシュートを決め同点に追いつく。良い調子が長く続く訳はなく、海王学園は化身を使い有利になっていく。
ていうか、海王学園のキャプテンの化身、海王ポセイドンって、海王学園のための化身じゃないの。
そしてその後もゴールを決められ、一対三で前半は終了した。


「なかなか厳しい状況だね」

『そうですね…、でも剣城くんのシュートかっこ良かったあ…、は!』


私としたことが、また知らない間に惚気て。顔に熱が溜まるのを感じるのとは逆に、優一さんはにこにこと私を見る。
逆に恥ずかしいですね。

そして後半、まさかの松風くんがキーパーに。これも円堂さんの考えがあってのことだろう。
パスが繋がっているが、相手に奪われ、化身使いの一人がゴール前でシュートを打つ。
画面越しでもわかる、松風くんの不安そうな顔、大丈夫だろうか、


「怯むな!」


松風くんに向けたその声は私の中にも響いてきた。


「サッカーを守るんじゃなかったのか!お前の好きなサッカーを!」


どくん。

私の中に流れる血が興奮してるように反応する。
どうしてこんなに剣城くんを知れば知るほど、好きになるのかな。


剣城くんの思いに応えるよう、松風くんは化身を出し、シュートを蹴り返しボールをクリアした。

それからの流れは雷門にあり、なんとか四対三で勝利を収めた。
勝った瞬間は思わず優一さんの手を握って喜んでしまった。しかもなかなかの力でブンブン振ってしまったごめんなさい。

そして私は試合も見れたことで、おとなしく家に帰った。
今日は決勝戦優勝の祝いとしてご馳走でも作ってあげようかな。