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あれから数日たって松風くんたちが無事入部できたと聞いた。一年生は合計三人が入部したとか。そして今日は久しぶりに葵ちゃんと帰っていた。


『あれ?そういや三人って言ってたけど…、松風くんでしょ、それと、西園くんだっけ?』

「そうよ!あと一人はうーん、まあね」

『葵ちゃんと同じクラス?』

「違うわよ」

『そうなんだ。あ、あと、その私の好きな人、は…』

「だから特徴を教えなさいよ!」


サッカー部でかっこいい人、それしか葵ちゃんには伝えていない。毎日毎日死に物狂いで彼を探しているみたい。


『かっこいいでしょ、背が高いでしょ、強そう!』

「背が高い…、三国先輩は優しそうだし。うーん…」

『私も試合見に行くからその時名前聞けたら聞いとくよ!』

「絶対よ!どうしよう、試合すごく楽しみになってきた」

『私も』


葵ちゃんは私の好きな人が知れるという嬉しさで、私は彼に会えるという嬉しさで頬がだらしなく緩んでいた。



そしてやってきました試合の日。
休日なので雷門中の生徒がたくさん観客席に来ていた。
私は玲央くんにバレないように、できるだけ後ろの席だけどよく見える場所をとった。
我ながらよくこの席とったな。

それから試合が始まるまで必死に彼を目で探した。


『(い、いた…!!!)』


ユニフォームを着てるわけでもなく、ベンチに座ってるわけでもなく、ただ雷門中側のベンチの前で立っていた。
その姿ですら素敵です。
あ、でもユニフォーム着てないってことは試合には出ないのか、
活躍するところ見たかったな…


試合が始まって初めの方は観ていたけど、つまらないからやめた。てか絶望しちゃったかな。
今なら玲央くんが私に観に来るなと言った理由がわかった。

試合を観るのをやめてからはずっと彼を見ていた。
挑発するような笑みを浮かべたり、不機嫌そうな顔をしたり、時には驚いた顔もしていた。そんな顔もするんだ…。何でそんな顔をしていたのか試合を観てなかった私にはわからないけど。

彼を見ていると知らない間に試合が終わっていた。え、早くない?
とりあえず早く帰って家にいてましたってしとかないと。



とか思ってたのに…


「何で来たんだ」

『(ば、バレてる)……えーっとー、んー…』

「……………」

『な、何で分かったの』

「…気配を感じた」


こわ!!
て、そんな場合じゃない。どうやって玲央くんから回避するか。正直に『好きな人ができたから会いたくて見に来ちゃった!』なんて言ったら燃やされる、私じゃなくて彼が。


『さ、最近のサッカーどんなのかなって気になっちゃって』

「あれほど関わるなって言っただろ」

『だってー、』

「……どう思った」

『え?』

「サッカー」

『決まってるじゃん』


絶望しちゃった。