2

*****

【総司視点】

「王様ゲエーーーーム!」

りせが急に立ち上がり、叫んだ。

全員がそれに注目すると同時に、突如始まった芸能界裏事情の暴露。

「ぶぁかー! 今日こそ"王様ゲーム"なんだから!」

陽介を見ると、顔色が悪かった。しかしそんなことにはお構いなしなりせは、無慈悲にもゲームを始める。

「カァーンジッ! ワリバシ、用意!」

「うぇ!? んでオレが……」

「王様の言うことは、絶対よ! 駆け足!」

「は、始まってんの!?」

「あ、あのぉ……王様ゲームって……どんなんだっけ?」

里中は王様ゲームのルールをよく知らないらしく、天城が何故か完璧に説明していた。……ノリノリだ。

「ほら、引いた引いた!」

りせに促され、各々クジを引く。

どのクジを引こうか……。

少し迷ってから、奥のクジを引いた。……1番、と書いてある。

「はい、じゃあ〜、王様だ〜れだ?」

「クマの、赤! 赤! クマ、王様!?」

「うわ、出からやっべー……」

確かに、激しく場酔いをしているクマが王様というのは危ない展開だ。運良く女子を指名してチッスなどと――

「王の名において命ずる!! すみやかに、王様にチッス!! ムチュ〜ン!!」

……あまりにも予想通りだ……。

「チ、チ、チ、チッス!?」

場酔いをしていない里中が驚きの声を上げる。

そして、こういうのを嫌がりそうな有里を見ると、頬を赤く染め、気の抜けた表情で、クジを見つめていた。意外と雰囲気に流されやすいのだろうか……。

……しかし、なんというか……表情が艶かしい……。

「おう、神よ……女子をお願いします1番!!」

「……1番!?」

「やっぱ9番……」

動揺を隠し切れずにいると、クマは指名する番号を変えた。

「変えんな王様!!」

……変えていいぞ!

「あ、私9番〜」

「おまっ、言うな有里!! いいのか!?」

「ハルチャン、優しくするクマよ……」

クマが勢いよく襲い掛かった!! …………完二に。

「いって、ちょ、オレじゃねーだろ! ……うぶっ!」

そして2人は屍と化した。

HOME