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【総司視点】
「王様ゲエーーーーム!」
りせが急に立ち上がり、叫んだ。
全員がそれに注目すると同時に、突如始まった芸能界裏事情の暴露。
「ぶぁかー! 今日こそ"王様ゲーム"なんだから!」
陽介を見ると、顔色が悪かった。しかしそんなことにはお構いなしなりせは、無慈悲にもゲームを始める。
「カァーンジッ! ワリバシ、用意!」
「うぇ!? んでオレが……」
「王様の言うことは、絶対よ! 駆け足!」
「は、始まってんの!?」
「あ、あのぉ……王様ゲームって……どんなんだっけ?」
里中は王様ゲームのルールをよく知らないらしく、天城が何故か完璧に説明していた。……ノリノリだ。
「ほら、引いた引いた!」
りせに促され、各々クジを引く。
どのクジを引こうか……。
少し迷ってから、奥のクジを引いた。……1番、と書いてある。
「はい、じゃあ〜、王様だ〜れだ?」
「クマの、赤! 赤! クマ、王様!?」
「うわ、出からやっべー……」
確かに、激しく場酔いをしているクマが王様というのは危ない展開だ。運良く女子を指名してチッスなどと――
「王の名において命ずる!! すみやかに、王様にチッス!! ムチュ〜ン!!」
……あまりにも予想通りだ……。
「チ、チ、チ、チッス!?」
場酔いをしていない里中が驚きの声を上げる。
そして、こういうのを嫌がりそうな有里を見ると、頬を赤く染め、気の抜けた表情で、クジを見つめていた。意外と雰囲気に流されやすいのだろうか……。
……しかし、なんというか……表情が艶かしい……。
「おう、神よ……女子をお願いします1番!!」
「……1番!?」
「やっぱ9番……」
動揺を隠し切れずにいると、クマは指名する番号を変えた。
「変えんな王様!!」
……変えていいぞ!
「あ、私9番〜」
「おまっ、言うな有里!! いいのか!?」
「ハルチャン、優しくするクマよ……」
クマが勢いよく襲い掛かった!! …………完二に。
「いって、ちょ、オレじゃねーだろ! ……うぶっ!」
そして2人は屍と化した。