伏黒恵
【夢主】デフォルト名:河村 紫穂(かわむら しほ)
・28歳。高専出身で五条や家入の元同級生
・呪術師にはならず、現在の職業は歌手
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五条「おっ、ちょうどいいとこに来たね1年ズ」
伏黒「ちょうどいいって……先生が呼んだんでしょ」
五条「そうだっけ?」
五条から連絡を受け廊下に集まっていた1年生3人と、遅れてやってきた担任の五条。
虎杖「あれ、先生その人誰?」
五条は1人女性を連れていた。
五条「僕と硝子の同期。君らの先輩でもあるよ」
釘崎「ってことは呪術師なの?」
紫穂「ううん、高専は出たけど呪術師はやってないよ。向いてなくてねー」
五条「そうそう、こいつ超弱いから」
紫穂「うるさ」
五条「ひどくない?」
虎杖「いや、今のは先生が悪いでしょ」
虎杖のまっとうなツッコミに嘘泣きを始める五条だったが、そんなものはほったらかして自己紹介を始めた。
紫穂「初めまして、河村紫穂です、よろしくね。五条からたまに話聞いてるよ、みんな優秀だって」
虎杖「虎杖悠仁っす!」
釘崎「釘崎野薔薇よ」
伏黒「…………」
順番的には伏黒の番だったが、何故か固まっている。様子のおかしい伏黒を、両側から虎杖たちは覗き込んだ。
虎杖「伏黒どったの?」
釘崎「まさかお前、河村さんに一目惚れでもした?」
虎杖「へー、伏黒は河村さんみたいな人がタイプなのか。応援するぜ!」
伏黒「そういうんじゃない」
はっとして否定した伏黒だったが、その視線はずっと紫穂の方を向いている。
伏黒「ふ、伏黒恵です、よろしくお願いします」
紫穂「? うん、よろしくね、伏黒くん」
釘崎「おい、私のときは名前だけだっただろ、どういうことだよ」
横から釘崎が突っかかるも、いつものようなローテンションツッコミが返ってこない。
こりゃ本当に一目惚れかと虎杖たちは疑い始めた。
五条「あっはは! 恵、気づいたね」
伏黒「! アンタ知ってて……!」
虎杖「え? え? どゆこと?」
訳知り顔の五条に指摘され慌てる伏黒。意味が分からず虎杖は理由を聞いた。
五条「紫穂はさ、歌手なんだよね」
釘崎「歌手!?」
紫穂「そうだけど、大げさだよ、テレビとかには出てないし。アニメとかゲームの曲が多いんだよね」
五条「えー、でも人気でしょ。そこの恵も大ファンだってよ?」
虎杖「えっ、そうなの伏黒!?」
釘崎「固まってないで答えなさいよ!」
両側から同級生に急かされてためらいがちに頷く伏黒。羞恥のあまりやや顔が赤くなっていた。
伏黒「…………っす」
せいいっぱいの肯定だった。
紫穂「えっ」
短く驚きの声を上げた紫穂は、次第に満面の笑みを浮かべる。
紫穂「嬉しい〜! 伏黒くんありがとう!」
どう見ても伏黒の方が嬉しそうだったが、珍しい反応をする伏黒見たさに誰もツッコミを入れようとしない。
紫穂「あっ、握手していい?」
伏黒「え、あ、はい、こちらこそ……」
震えながら出された伏黒の右手を紫穂は両手でがっちり掴んだ。心までがっちり掴んだわけだが本人は全く気付いていない。
虎杖「伏黒って、ああいう顔すんのな……」
釘崎「確かに、意外ね……」
五条「恵、男を見せろよ!」
虎杖「えっ、先生そういうつもりで河村さん呼んだの?」
そんな外野の声は今の伏黒の耳には届いていなかった。
紫穂「曲聴いてくれてるんだ! 伏黒くんはどの曲がお気に入り?」
伏黒「正直迷いますね、どの曲も好きで、めちゃくちゃ聴いてるんで……」
紫穂「ほ、ほんとに……!? 伏黒くん、私今日高専来て良かったよ〜!」
伏黒「お、俺も、河村さんに、会えて、良かった、です……」
未だ握手をしたまま盛り上がっている伏黒と紫穂。
釘崎「おい、始まってんぞ、恋が」
五条「恵がここまで素直になるとはね」
虎杖「じゃあ俺ら邪魔じゃね? さっとフェードアウトしてやろうぜ!」