悟くん@
「あっ、悟く〜ん」
「どうしたの美鶴ちゃ〜ん」
「君たちほんと似てるよね」
「「そう?」」
「ほら。兄妹みたいだよ」
高専の廊下を歩いていた五条と夏油を見つけて声をかけた美鶴。ちなみに五条だけを呼んだのではなく夏油を呼ぶ前に五条に遮られただけである。
「悟お兄ちゃんお小遣いちょうだい」
「いやお前稼いでるだろ」
「おぇ〜、正論嫌い」
急にノリが悪くなった五条に美鶴はべーっと舌を出す。
「私最近美鶴は将来悟になるんじゃないかと心配してるんだけど」
「最強じゃん。悟くんになろ」
「美鶴が? 無理でしょ弱いもん」
「うわクソ〜。それを鍛えるのが教師の仕事では?」
「僕正論嫌いなんだよね!」
「傑く〜ん、悟くんがいじめるよ〜」
「ははっ、私に言わないでくれ」
「っていうか悟くん本題なんだけど」
「お前マジでマイペースだよね」
「だってこのコント終わらないもん」
コントだったんだ……と夏油は思ったが長くなるのでツッコまないことにした。
「悟くんあとで部屋来てよ」
「ん〜、じゃあ21時くらいね」
「もっと早く来られない? だめ?」
「ン"〜〜〜〜」
上目遣いで猫なで声。あざとくおねだりされた五条は片手で顔を覆い天を仰いだ。
「何で毎回効くんだろこれ」
「悟は時々驚くほどバカになるよね」
「ね〜」
*****
20時過ぎ。五条は美鶴の部屋を訪れた。
「美鶴来たよー」
「えっ、早っ」
「早く来いって言ったのだぁ〜れ?」
「いたたたたたたごめんごめんごめん冗談だよ」
拳で頭をグリグリされて思わず謝った。
「はいはい、早くヤるよ〜。僕結構ガマンしてたんだから」
「悟くんガマンとかするんだ。言ってよー」
「最近直哉の相手ばっかしてたでしょ」
「直哉くんすぐ京都帰っちゃうもん。関係あるの?」
「あるね。アイツの後はヤダ」
「傑くんならいいんだ?」
「は? え? まさかさっきまで傑来てたワケ?」
「うん。これから任務なんだって。聞いてなかったんだ」
「アイツ美鶴のことマジで喋んないんだよね。はぁ〜〜」
ゴミ箱を覗き込んだ五条は溜息を吐く。
「だって悟くん忙しいじゃん」
「傑も特級じゃん」
「ははっ、私に言わないでくれ」
「マネすんな」
「ごめんね。今度は一番に呼ぶからさ、今日は悟くんの好きなプレイしようよ」
「マジ? 首輪つけて全裸でお散歩とかでもいいの?」
「私はいいけど社会的に死ぬの悟くんだよそれ」
「じゃあ全裸にコートで妥協してやるよ」
「夏だよ今。玄関くらいにしようよ」
「おっ、いいねそれ。採用!」
途端に機嫌を直した五条は早速美鶴を玄関まで連行した。
「美鶴知ってる? ここ結構外に音聞こえんの」
「ふふ、知ってる」
「……あのさ、誰かとここでヤッたことある?」
「え〜、まだないよ。壁薄いのはフツーに知ってただけ」
「ならいいけど」
「悟くん、嫌なら他の人のこと聞かなきゃいいのに」
「それじゃ僕が一番かどうかわかんないでしょ」
「心配しなくても悟くんが一番だよ」
「それ他のヤツにも言ってる?」
「言ってる」
五条はまた溜息を吐いて、美鶴の背を玄関のドアに押し付けた。