五条と出られない部屋 /前編
「真実、真実起きて」
「んー……やだ……」
「こら」
デコピンされて起きたら目の前に悟先生がいた。
「あれ、先生……?」
辺りを見回すと、今自分が起きた大きめのベッド以外何もない、白くて広い部屋だった。
ベッドには何故か悟先生が腰掛けていて、いつもの目隠しははずされている。
「ここ、生得領域か何かですか?」
「いや、呪力じゃない。僕が見たからそれは確実だよ。その上僕の術式でも扉も壁も壊れなかったんだ」
「終わった」
「勝手に終わらせないの。――一応、こんなものが置いてあったんだけど」
先生から受け取った1枚の紙には"セックスしないと出られない部屋"とだけ書いてあった。二次創作でよくあるやつ。
「あー……実在したんですね、この部屋」
「みたいだね〜」
で、どうする? と聞いてくる先生。
どうするも何も、出るためには文字通りヤるしかないのでは。
「まあ……さくっとヤッて外出ましょう!」
「さんせ〜い!」
自分で提案しといてなんだけど、先生それでいいんだ。
*****
【五条視点】
さすがの真実でもこれは嫌がるかと思ったら、すごい良い笑顔で承諾された。
「一応聞いとくけど、初めて?」
「じゃないです」
「えっ、誰!? いつ!? 何人!?」
「興味あるんですか。1人ですけど……」
「いやあ意外だったから。棘? それとも恵? まさか悠仁?」
「そんなわけないじゃないですか。高専関係者じゃないです」
そうなるとますます意外だな。真実に高専外に友達がいるイメージがない。
しかし表情からしてこれ以上言う気はないらしい。
「まあいいや。じゃ、始めよっか」
「よろしくお願いします?」
経験はあるけど慣れてはいなさそうだ。
さっき起こしたばかりだけど、真実の肩を押してベッドに寝かせた。
「前はどんな男とヤッたの?」
「え、普通に言いたくない……」
「そりゃそうか」
恥ずかしそうな表情で目を逸らされる。いつもの不思議ちゃん感じとは違って、ずっと人間らしい反応だ。
「まあ、ちょっとへらへらしてるとこは若干先生に似てましたけど。若干」
正直ぐっときた。真実の上に覆いかぶさり、身体を軽く撫でていく。
「ごめんごめん、もう他の男のことは聞かないからさ、僕のことだけ見てなよ」
「それはそれで恥ずかしいような」
相変わらず口説き文句は効かなかった。