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数日後。

朝一で遼平と七緒から同時にメッセージが届き、誘われるがまま朝練に向かった。

校門に着くと2人が待っていて、合流する。

「メッハー、静華」

「静華おはよ!」

「おはよう」

「えー、静華も"メッハー"使おうよ」

「なんで?」

「なんでって……手強いなぁ」

「あはは、どんまい七緒」

遼平と七緒は結構仲が良い。この2人がいなかったら弓道部は今頃女子部員だけになっていたことだろう。

「そうだ、静華にも共有しとかないとね!」

七緒がスマホを見せてきた。そこに表示されていたのは手書きの絵本みたいなものだったが、タイトルは"かっちゃん籠絡作戦"。湊のことを小野木くんに認めさせるための作戦らしい。

真面目に毎朝早朝から道場の整備と特訓を1人黙々とこなす湊を小野木くんに目撃させ、そのアツさで訴えかける作戦のようだ。

「かっちゃん、基本チョロいから」

びっくりするほど単純な作戦だったが、小野木くんと一番親しい七緒がそう言うなら多分大丈夫だろう。

弓道場に向かっていると、少し先に静弥の後ろ姿が見えた。早くもイレギュラーが発生している。先に家を出ていたのはこのためだったのか。

とりあえず遼平たちと静弥を追おうとしたが、今度は後ろから女子部員3人が来て、さらにその後ろから小野木くんもやってきた。

妹尾たちは毎朝道場の整備を誰がしているのかを見に来たという。

ともあれ全員で弓道場の前まで来ると、中から湊と静弥の話し声が聞こえてきた。

*****

結局、湊が弓道に戻るきっかけになったのは雅貴くんの弦音だったようだ。雅貴くん偉大すぎ。静弥は悔しいかもしれないけど。

そして湊が真剣に弓道に向き合い早気を治そうとしていることが、はからずも部員全員に知れ渡った。

小野木くんは素直になれないのかその場から立ち去り、遼平と七緒がそれを追う。私も追おうとしたけど、あんまり大勢で行くと小野木くんが意地を張りそうなのでやめておいた。

「静華は行きませんの?」

「うん。男の友情的なやつでなんとかなるでしょ」

「静華の方がよっぽど男前だわ」

「そんなことはないと思うけど……」

放課後になればまた部活で会うし、七緒に至っては隣の席だ。後で顛末を教えてもらうまでもなく、七緒の方から話し出して小野木くんがイジられるんだろう。

想像するとちょっと楽しみだった。

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