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「一体いつまでこんな悪ふざけを続けるつもりなんですか?」

「そりゃ未来永劫だ」

静弥の問いに冗談で答えた雅貴くん。ちょっとイラッときているときの静弥にそういう対応はNGだ。静弥を見ると案の定顔が怖い。

あーあ、と思いつつ見ていたら、乃愛が声を上げた。

「そんなのごめんですわ!」

「冗談だよ。今日と、来週の連休の4日間限定っていうのはどうだ? 弓道部の合宿をしよう」

来週やる合宿の予告が今なのか……っていうのは雅貴くんのことだからこの際置いといて。もう予選も近いし、強制的に一緒に過ごす時間ができれば男子たちも仲良くなれそうではある。河原で殴り合ったりして。

「合宿!?」

「ああ。場所はうちの弓道場だ。夕飯はもちろんカレー、BBQ! 夜には怪談だってついてくるぞ」

怪談それはいらない。

話を聞いていると、食費は部費から出していいとトミー先生が言ってくれたらしい。それって結構前から合宿の計画を立てていたのでは。

「合宿! 楽しそう!」

「マサさん、俺参加する!」

海斗はさっきまで下僕労働に文句を言っていたとは思えない良い笑顔だった。

湊も参加すると言うと、それならと静弥も手を挙げた。七緒はデートの約束があったようだけど、みんな参加するのに七緒だけ欠席というわけにもいかないだろう。

七緒を引き留めなかった雅貴くんは"去る者は追わず"と言ったけど、結局全員参加すると予想していそうだ。

「女子はどうだ?」

「私たちも参加の方向で。ただし、両親の許可を得るまで待ってください」

ゆうなと乃愛もおおむね同じ返事だったからか、妹尾が代表して答えた。

「ああ、もちろん。静華は?」

「参加するよ。うちの親、雅貴くんの存在は知ってるから大丈夫」

「そうか。そのうち挨拶に行かないとな」

「は? 何故ですか?」

まっさきにそう聞いたのは静弥だった。雅貴だけに。……まずい、笑いそう。とはいえとても笑える雰囲気ではないので耐えた。

「いや、近所とはいえ、夜遅くまで大事な娘さんと2人きりだったわけだしな」

「不規則発言やめてくれる?」

「おい、俺の誠意を国会の野次みたいな扱いにするな」

「何その変なツッコミ……」

というか雅貴くん、それこんなところで言ってほしくなかった。あと普通に挨拶には来ないでほしい。恥ずかしいので。

「それについてはもう僕が把握しているので、親への挨拶は不要です。それに、部活がある以上、今後そのような状況になることはありませんから」

把握って。

というか、そう、まさに静弥が今言ったことを私は考えていた。マサだけに。今日はギャグの調子が良いかもしれない。

雅貴くんが一万射を終えた日、もう夜多の森ここに来る必要がなくなると言われた。そのすぐ後に雅貴は風舞のコーチとしてやってきたから、個人的にあの弓道場を訪れる機会がなかったのだ。

静弥とも夜は割と一緒にいることが多いし、以前のように夜多の森に行ける状況じゃなかったのもあるけど。

いっそ湊を誘って行くか……まあ、これについては後々作戦を考えよう。

なんて、私の思考が散らかり始めたところで、雅貴くんとの間にスッと誰かが入ってきた。

「どうした、妹尾? なぜ静華を俺から遠ざけようとしているんだ?」

目の前に見える、凛とした長身の後ろ姿は妹尾のものだった。

「いえ、つい」

「妹尾グッジョブ」

静弥が妹尾にサムズアップを送った。妹尾もそれに頷いている。部長同士どこで通じ合っているんだ。

「淫行条例……」

「ちょっと待って、引っかかってないからね!?」

妹尾が呟いた恐ろしい単語にはさすがに反論した。そんなやましい関係ではない。

「雅貴くんの言い方が10割悪いよ」

中学時代に一緒に弓の稽古をしていただけ、夜遅くなったのは部活後に行っていたからだと説明して誤解をといた。

「悪かったよ。色々と端折りすぎた」

雅貴くんもそんなに疑われると思っていなかったのか、珍しく反省していた。

しかり切り替えも早かった。

「それはそうと、下僕の仕事はしっかりしてもらうぞ。ほら、草むしりがまだ終わってないだろ?」

「マジかよ……」

「今の話のおかげで忘れられたと思ったっしょ……」

結局、男子の下僕労働は続行となった。

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