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地方大会初日。
県外の会場までやってきた私たちは、現在お弁当を食べている。
「まずは静華の個人戦だね」
「うん」
「相変わらず緊張していませんわね、静華さんは。わたくしの方が緊張してきましたわ」
「まあ、なるようになるよ」
「悟り開いてるし……」
今回出場するのは、県大会優勝を果たした男子団体と女子個人。
県大会直後は、校舎に名前入りのでっかい横断幕を掲げられて恥ずかしかった。桐先は弓道部以外も強豪だったから気にならなかったけど、全校朝礼での表彰も普通に恥ずかしかった。
それに比べれば試合そのものは気楽なものだと思う。
「あ、私、トイレ行ってくるね。ついでにゴミ捨ててくるからちょうだい」
「ゴミくらい私たちで捨てるから! 静華は試合前なんだからゆっくりしなよ」
「普通にしてた方が落ち着くから大丈夫だよ。どっちにしろトイレは行くんだし」
私がゴミの入った袋を持って立ち上がると、乃愛も腰を上げた。
「なら、わたくしも一緒に行きますわ」
「連れションだ」
「連れ……っ、下品なことを言うのはおやめなさい!」
「ご、ごめん、つい」
県大会以来の乃愛の大声を聞いてしまった。というか、"連れ"から先を復唱されなくてよかった。
弓道部女子は仲良しだが、いつもずっと固まって行動しているわけでもないからちょっと意外に感じただけだったんだけど。男子のノリに慣れすぎているのも良くない。
「ちょっと男子ー! 静華に変なこと教えないでよー!」
「僕たちのせいなのか……?」
「おれたち、別に連れションなんてしていないよな」
ゆうなに責められた静弥は溜息を吐き、湊と審議に入っている。そんなことに時間を使わないでほしい。
「ていうか、すごいタイミングっしょ。かっちゃんもちょうど行こうとしてたもんね?」
「は!? 一緒に行くわけねえだろ!?」
海斗はちょっと顔が赤かった。トイレぐらいで照れるなんて、海斗は意外とピュアだ。