4
男子団体、3回戦。風舞の相手は永亮くん率いる辻峰高校だ。
妹尾、乃愛、ゆうなと一緒に客席から応援しているが、会場内は少しざわめいていた。
辻峰の射はチームとしてはめちゃくちゃで、でもあたる。不思議な圧力があった。
でも、久々に見た永亮くんの射は、やっぱりーー
「やっぱり、かっこいい射」
「静華?」
「…………え、あっ、口に出てた!?」
「いや、思いっきり出てたけど」
「かっこいいって、誰の射が?」
妹尾は茶化すでもなく、普通に聞いてくる。いっそ茶化された方が楽だったんだけど……。
「……辻峰の大前、二階堂永亮先輩。あの人、中学のときの先輩で、私が弓を始めてすぐの頃によく教えてくれてた。静弥と湊とも面識あるよ。あと、元カレ」
何かの拍子に人からバラされるくらいなら自分で言った方がダメージが少ない。と、さっき学んだ。
よりを戻す戻さないの話をされたとき、雅貴くんはその話を遮って、私を永亮くんから遠ざけた。だから別に浮気を疑われているわけじゃないとは思う。
むしろ、一時期斜面で引いていたことの方を浮気だと思われているかもしれない。わかんないけど。あ、でも斜面で引いてたことは言ってあったんだっけ。
「その話、後で詳しく聞かせてもらうからね!」
「滝川コーチのことはどうしますの!?」
乃愛が小声で慌てている。あとゆうな、それは勘弁して。
「そんな話すほどの中身はないよ。永亮くんと昔付き合ってたことは、雅貴くんにも知られてるし」
それに、
「そんなこと、弓には何の関係もないしね」