七緒を応援
※先行上映で見た記憶をもとに作成しています。
※地上波での放送後内容を大幅修正する可能性があります。
【藍視点】
スポーツ大会当日、教室でクラスメイトたちが作戦会議をする途中、弓道場に忘れ物を取りに行った湊をこっそり追いかけた。
理由は簡単、湊は絶対弓を引くからだ。
少し遅れて道場に行ってみれば、わざわざ弓道着に着替えて弓を張る湊に遭遇した。湊はまずいというような顔をしたけど、私が見に来ただけだとわかるとすぐに準備を再開した。
何射か引いたところで、弓道場の入口に近づいて来る人の気配を感じた。多分他の部員たちだろうと思って待っていると、最初に入ってきたのは遼平だった。そこに海斗、七緒も続く。
それから最後に現れた静弥に全員まとめて怒られたのだった。
「藍、オレの試合結構すぐ始まるからさ、最初に応援に来てよ」
静弥の説教の後、解散すると同時に七緒がそう言ってきた。
私は競技には出られないので、応援団として参加することにしていた。本当はただの見学でいいんだけど、せっかくなので何かやりたいし。
弓道部の部員のクラスは回ろうと思っていたからちょうどいい。七緒と一緒に体育館へ移動した。
「七緒はバレーなんだね」
「そ! ちなみにポジションはセッター」
「アタッカーにボール上げる人だっけ。影の主人公ってやつだ」
「さすが、藍はわかってるね。かっちゃんときたら、アタッカーこそ一番だと思ってるんだよ」
「あー、海斗っぽい」
*****
【七緒視点】
弓道場から体育館に移動すると、2階の応援スペースにはオレのファンの子たちがすでに集まっていた。
「七緒ファン、すごいね」
「ありがたいよねえ」
メッハー、と挨拶しながら手を振ると、彼女たちも同じように返してくれる。
「私一緒にいて大丈夫? 側から見たら抜け駆けしてる奴だよねこれ」
「ファンの子たちも弓道部の女子は認識してるし問題ないっしょ」
隣を歩く藍がそわそわし始めた。
オレもそうは言ったものの、確かに特定の子と一緒にい続けるのはあまりよくない。オレ自身、女子から人気があることが原因で上級生に嫌味を言われることもあったし、藍が同じような目に遭ったら嫌だしね。
「じゃあ応援団はここまでにするね」
「応援ありがとう。ていうか、さっきから気になってたんだけど、1人なのに応援
「えっ……ほら、トミー先生とか、雅貴とか?」
「今考えたっしょそれ」
トミー先生は普通に自分のクラスを応援するのでは、とも思うけど、トミー先生レベルになれば生徒全員応援してそうだ。
「ま、藍の応援のおかげで頑張れそうだよ。またあとで」
「うん。試合も見るからね。ーー妹尾の応援が終わり次第!」
藍の視線の先では、同じく体育館で行われている女子のバスケの試合が始まろうとしていた。
長身を活かして見事にジャンプボールを取り、味方にパスをして走り出す妹尾さん。スマートすぎる。
「……やっぱ、妹尾さんには勝てないっしょ……」