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【夢主】
・風舞高校1年生。七緒と同じクラス
・静弥とは双子の兄妹。
・基本的に静かだがノリが良く、好かれるタイプのマイペース。ナチュラルボーン魔性の女。
・最近は海斗をからかうことにハマっている。
・中学時代に弓道参段を取得し天才ともてはやされていたが、段位を取ったことを後ろめたく思っている。
・中学では愁と3年間同じクラスでよくつるんでいた。

*****

【夢主視点】

「ねぇキミ、弓道好きなの?」

入学初日、名前順の席で隣になった男子――如月くんに突然そう聞かれた。

突然と言っても、自己紹介で好きな物は弓道だと自分で言ったからだろうけど。

「うん。中学でもやってたから」

「へぇ! 俺も弓道部だったんだ。あと、あそこにいる目つきのコワいやつも!」

「誰が目つきコワいだコラ」

隣の席の男子が指さした先には確かに目つきのコワい男子がいた。しかも地獄耳。確か小野木くんといったはず。

「よかったら、俺たちと一緒に弓道部入らない?」

「うん。部には入ろうと思ってたから、いいよ」

「ほんと!? かっちゃん、竹早さん弓道部入るって!」

「かっちゃんって呼ぶな!」

小野木くんがこっちにやってきて如月くんに怒鳴った。

「なんでかっちゃんなの?」

「名前、海斗だからだよ」

「あー、そっか。かっちゃんだね」

「お前もそのあだ名で呼んでんじゃねえよ!」

「もー、女の子にそんな言い方しちゃダメっしょ」

小野木くんと如月くんは言い合い? を続けている。

仲良いなぁと思いながら眺めていたら、いつの間にか予鈴が鳴っており、2人とも先生に注意されていた。

*****

夕方、自宅に帰ると前を歩く湊を見つけた。

どうしよう、これは声をかけるべきか。

校内でバッタリ会って驚かせようと思ってたのに結局会わなかったから、完全にタイミングを逃していた。

「あー、湊ー……」

「……愛生? って、その制服」

振り向いた湊は私を見て驚いていた。ドッキリ大成功だ。

「びっくりした?」

「したに決まってるだろ。なんで静弥もお前も風舞に入ってるんだよ」

「セーラー服の方がかわいいから」

「……そんな理由で?」

「うん。嘘だけど」

「はぁ……」

「いいじゃん、知り合いいてラッキーでしょ。――あ、クマ」

「お前マイペースすぎないか?」

庭から顔だけ出しているクマを見つけて撫でに行ったら湊に呆れられた。

「そう? あ、そういえば静弥は?」

「なんか用事があるって」

「ふーん。お茶してく? 湊の好きな茶菓子あるよ」

「……いい。今日は帰る」

「そう、残念。じゃあまたね」

「ああ」

湊はクマをひと撫でして帰って行った。

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