不破の先輩だったら 小学生編
※先輩が二階堂じゃなく不破の先輩だったIF
【設定】
・不破とは小学生の時に知り合い、ときどき会う仲に。中学の弓道部で再会。
・先輩は小3のとき引っ越してきた。以前は琴葉市に住んでいた。
・ぐいぐいくる不破にねだられてお互い名前呼び。先輩はよく不破家に入り浸っている。
・具体的な話をしたことはないが、不破は先輩を彼女と言っており、先輩もそれを否定しない。
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【不破視点】
友達といつも遊んでる公園に、変なやつがいた。
そいつは見たことのない女子で、なんかすげー長い棒みたいなのを持っている。
「ねえ、それなに?」
「これ? 弓だよ」
「弓……キュードーってやつ?」
「うん」
ベンチに座ってぼーっとしていたそいつに話しかけてみたら、意外とふつうに返された。
ていうか、この人上級生っぽいな。学校の友達なんかとはふいんきがちがう。なんていうか、女の子って感じだ。
「その服も弓道のやつ?」
「そうだよ。ハカマ」
「へえ……。あのさ、おまーーえっと、名前何ていうの! おれは不破晃士郎」
「舞田愛生。……ふわ?」
おれの名字を聞いて首を傾げた舞田さんに、地面に枝で漢字を書いて見せた。
「こうしろうは?」
「!」
なんだ今の。舞田さんに名前を呼ばれたら心臓のあたりがぎゅっとなった。
ごまかすように下を向いて、また地面に名前の文字を書く。
「へー。かっこいいね」
舞田さんはちょっと笑った。うわ、かわいい……。
「な、なあ、舞田さん、帰らないの? もう5時だけど」
「うん。帰りたくないもん。6時まではここにいる」
「……じゃあ、おれもいる」
「いいの? お母さんが心配するんじゃないの」
ほんとは5時には帰ってこいってお母さんに言われてるけど。
「舞田さんだってそうじゃん」
「ううん。先生ーー母はこの前死んだからいないし、おやじは心配しないからいいの」
「えっ」
やばい。聞いちゃいけなかったかもしんねー。
でも舞田さんは普通にしている。
「不破くん、何年生?」
「え? あ、えっと、2年生」
「1こ下なんだ。わたし、3年生」
それから学校を聞いてみたら、おれとは違うとこでがっかりした。ていうか、この辺に引っ越してきたばっかで来週から転校するらしい。
でも、舞田さんはこの近くの道場に通ってるから、この公園でなら会えそうだと言ってくれた。
「弓道って、おれもできる?」
「ううん、小学生はだめだって。初心者は中学から」
「じゃあ舞田さんは何でできるんだよ?」
「母が弓道の先生でやらされてた。今は母の弟子だった人たちに教えてもらってるの」
「ふーん……」
「やりたいの?」
舞田さんはまた首を傾げた。
べつに弓道がやりたいわけじゃない。けど舞田さんともっと話したい。それなら同じ習い事をすればいいと思ったんだ。