天元様がみてる

※注意:覗きの宇髄に行為を実況、オカズにされる話です。


【宇髄視点】

……こりゃ派手にまずいことになった。

俺は今、鳴柱邸にいる。

嫁たちに持たされた明野への土産を届けに来ていたからだ。

明野は俺の継子だった頃から嫁たちと仲が良かった。あとで聞いた話だが、俺抜きで会ったりもしていたらしい。須磨に自慢されて知った。呼べよ、俺も。

それはともかくとして、明野は屋敷を留守にしていた。隠もいない。

以前から明野に許可を貰っていたため屋敷には勝手に入った。わかりやすい場所に文と一緒に置いておけば気づくだろう。

少しして、文を書き終えると何やら玄関のほうから派手な音が聞こえてきた。

明野が帰って来たのかと思い声をかけに行こうとしたが、やめた。

2人分の音がする。明野のほかに男が1人……となれば、冨岡か。

明野は誰とでもそれなりに仲良くやっているようだが、冨岡という相手がいるだけあって身持ちは堅い。この屋敷に出入りできる男なんてのは俺と冨岡、あとは継子の善逸くらいだろう。

俺は冨岡が誰かと親しく会話をしているところをほとんど見たことがなかった。

柱合会議でもろくに意見は口に出さないし、ときどき煉獄や甘露寺なんかが話しかけても返事は短く話題は広がらない。あの2人はそっけない態度を取られても大して気にしないが、不死川や伊黒は嫌悪感丸出しだ。

そういうとき、明野はだいたい胡蝶や悲鳴嶼の旦那、あと俺と喋ってるから助け舟もない。ときどき冨岡から何らかの意図を持った視線を感じることはあったが、俺はそんな地味な主張なんて気にしねえ。

胡蝶に至っては、見られているとわかっていて明野との仲睦まじい様子を派手に見せつけていやがる。というか女にまで嫉妬しているとは驚きだ。

冨岡の明野に対する異常な執着については、胡蝶がときどきこぼす愚痴から知っていた。

それが実際どんなものなのか、興味を持ってしまったのは……間違いだったのか? と、こんなこと・・・・・になった今では疑っている。

俺は近くの部屋の押入れに忍び込み、様子を伺っていた。大して物も入っておらず、俺でも快適な広さだ。

さすがにこんなところに入り込む許可は貰っちゃいないが、まあ明野なら許してくれるだろ。あいつはいちど信用した相手にはかなり甘い。

そう、甘いのだ。今聞こえてくる声のように。

『あっ、義勇、ちょっとまってよぉ…!』

『待たない』

『ここでいいから、せめて草履、脱ぎたい』

『早くしろ』

『義勇は土足でうちに上がるの?』

『…………』

冨岡は窘められて、おとなしく従っているらしい。意外と尻に敷かれてんのか?

それから話し声はいちど止んだ。が、次に聞こえてきたのは水音だ。

『……ん、っふ……』

口吸いをしていやがる。帰ってきて早々何してんだあいつらは。

まあ、聞き耳は立て続けるが。

水音が止んだと思ったら、今度は衣擦れの音がした。

おいおい、おっぱじめる気か、玄関で。

『……すまない。布団に行こう』

冨岡にも一応の常識はあったらしい。

そうして2人が連れ立って来たのが、俺が隠れている押入れのある部屋だった。

……ここねやじゃねえか!

冨岡は部屋の端に積まれていた布団を乱雑に広げ、明野をそっと寝かせる。2人とも隊服を着ていないあたり、どこかに出かけていたようだ。

冨岡の手つきは性急だった。明野の着物の帯もろくにほどかず袷を開くと、乳房ちぶさが勢いよくこぼれ出る。幼げな顔からは想像もつかねえ派手な体つきが最高だ。

「ぁっ……」

明野は反射的に両腕でそれを隠そうとしたが、すぐに冨岡に阻まれた。

「邪魔だ」

……お前、一歩間違えば暴漢だぞ。と、若干心配になるくらい、冨岡には鬼気迫る勢いがあった。

それからすぐに明野は着物をすべて脱がされ、裸のまま布団に押し付けられている。

下を向く冨岡の表情は長い髪に隠れて見えないが、さぞかし興奮していることだろう。つーか、俺もやばい。

冨岡は再び口吸いをしながら明野の体を撫で回した。そのたびに明野はびくびくと小さく体を揺らす。

胸やら腰やらを散々這いずり回っていた冨岡の指がついに下に触れると、

「んぁ……っ」

と、聞いたこともねえ明野の艶っぽい声が響いた。

冨岡が剃らせたのか元からかは知らないが明野には下生えが全くなく、その体格も相まって子供のように見える。しかしその肉付きは明らかに男を知る女のものだった。

明野は女にしちゃかなり筋肉量が多い方だが、それでも当然冨岡より華奢だ。普段は信頼できる同僚でも、こうも組み敷かれていては無力な娘でしかない。

「んっ、ひ……! あ、あっ、だめ」

冨岡が指を挿入すると、明野は腰をくねらせる。

「良さそうに見えるが」

指を2本に増やし、親指で外の突起をぐりぐりと押し潰すと、明野は堪らず口を押さえるが声は漏れていた。

「あ、ぎゆ、だめ、だめ……っ」

中を擦り続ける冨岡の指に吸い付くひだが、わずかに開けた襖の間からよく見えた。

――もう耐えらんねえ!

俺も気配を悟られないよう、音を立てないように注意を払いつつ、魔羅を取り出して片手で扱く。

弟子を慰みものにするなんて師範としては外道もいいところだが、あいつはもう独り立ちしてるから問題ねえな!

それから冨岡の指が中を擦りあげると同時に、明野は潮を吹いた。

「やぁっ、出ちゃう、やだ、ぎゆう、やだぁっ」

「好きなだけ吹け」

「あっ、あぁ、うぅっ……!」

ぷしゃっ、と勢いよく明野の尿道から潮が吹き出す。

――冨岡てめぇ……派手じゃねえか! いいぞ、もっと攻めろ! 吹かせろ!

冨岡の着物や袴は明野の潮を受けてびしょ濡れだ。しかしそれを気にする様子もなく、次は明野の股座に頭を潜らせる。舐陰しいんをする気らしい。

「あっ、あっ、んん……」

じゅるじゅると水音を立ててそこをねぶられ、明野は腰を浮かせてよがる。

……しかし驚いた。冨岡は意外と前戯が長い。

入れて出してはい終わり、みたいなことをしかねない印象があったから、その点はちょっと安心したが。

「ぎゆ、うぅ〜……も、いいからぁ……」

明野はすでに何回か達していてへろへろだ。

「よくない。解さないと痛いだろう」

このクソ長い前戯は冨岡なりの気遣いだったらしい。

大事にしてやってるみたいだが、ここは明野の意思を尊重したほうがいいんじゃねえか? もうへばりそうだぞ。

「いい、もういい……義勇がほしいの……」

ド派手に殺し文句だった。

冨岡も堪らなくなったのか、着物と袴を手早く脱ぎ捨てた。

――冨岡、お前、巨根だったのか。

俺様ほどではねえが、なかなかじゃねえか。地味なツラしてそんな派手なモン隠し持ってたとは、正直ちょっと見直したぜ。

あれだけ前戯が丁寧になるのも納得だった。明野の身体は小さい。そんなもんをぶち込まれたらうっかり壊しちまいそうだ。

「入れるぞ。痛かったら言え」

「んっ……いっ! ――たくない! 痛くないから大丈夫……!」

い、と明野が言った瞬間冨岡の腰は止まり、入りかけていた先端がずるりと抜ける。そして明野は慌てて否定した。

つーかマジで入んのかそれ。

赤黒く膨れ上がり血管の浮き出た太い魔羅は、腹につかんばかりに反り立っている。

「義勇、きて、はやく」

「ああ……ッ」

冨岡ももう我慢の限界だったんだろう。

さっきまでの気遣いはどこへやら、性急に魔羅の先を押し当てて腰を進める。

……意外と入るもんだな。

「っひ、い……っ、うぅ……!」

「すまない……っ、ああ、すごいな……」

オイ冨岡、すごいってなんだ説明しろ、良いのか? 良いんだな?

……聞くまでもないか。奴のあんな顔は見たことがねえ。明野なしには見たくもないが。

「動いていいな」

「はっ、あぅ、ああっ!」

動いていいか、じゃないあたりが派手に切羽詰まってる感じだ。

冨岡に腰を掴まれた明野は逃げることもできず、ただただ深い挿入を受け入れている。

出し入れするたびに、明野の下腹が膨れたりへこんだりするようにさえ見えた。

「はぁっ、はぁっ、ん"っ……明野……っ」

――なんで俺が冨岡の喘ぎ声なんざ描写しなきゃならねえんだ。

「あ、あぁっ……ぎゆ、んっ、はぁ、あぅっ」

そうそう、俺が聞きてえのはこっちだよこっち。

パンパンと肌のぶつかる音が響く。

「っ、ふぅ……明野、起き上がれるか」

「ん……」

冨岡は返事も聞かずに明野の上体を起こし、座ったまま向き合う体勢になった。

そのまま数回下から抉るように突かれると、明野は堪らず冨岡に抱きついた。明野のデカい乳が冨岡の胸板で潰されて淫靡だ。

「自分で動いてみろ」

冨岡はそう言うと、後ろに倒れて布団に寝そべり、明野を上に乗せた。

「っうぅ……」

「あぁ……っ、奥まで、入るな……、痛くはないか?」

「んっ……うんっ……」

明野は頷いて、腰を擦り付けるように動かし始めた。

冨岡が快感に顔を歪める。

……マジで気持ち良さそうだな。

クソ羨ましい。押入れからド派手に飛び出して、乱入してやりたいくらいだ。

「っ待て、明野、出そうだ……っく」

「ん、出して……っ、うぁ、ん、すごい、いっぱい出てる……」

明野の腰が止まる。どうやら冨岡は達したらしい。

――なんだよもう終わりかよ。

俺がそう落胆しかけたときだった。

「明野、一度抜くぞ」

冨岡の声に従い、明野は腰を浮かして魔羅を抜いた。

中からはぼたぼたと白濁が流れ落ちてくる。いやどんだけ出してんだアイツ。

「舐めてくれ」

冨岡は立ち上がると、座り込んだ明野の眼前に魔羅を突き出した。

白濁が纏わりついてぬらぬらとした魔羅は、未だ反り立っている。

「ん……っふ、んむぅ……」

明野がそれにしゃぶりつく。明野の小さい口ではすべて入りきるわけもないが、冨岡は快感に顔を歪めながら褒めるように明野の頭を撫でていた。

先端にちゅうちゅうと吸い付いたり、舌を伸ばして裏筋を舐め上げたり、喉奥まで突っ込んだり……派手に超絶技巧じゃねえかよ!?

――俺の愛弟子が知らない間に淫乱にされちまった……。

ある種の衝撃を受けるとともに、それはそれでアリだなと自身を扱く手が速まる。

「う、っ明野、もう出る……!」

「ん、ちょうだい」

明野は冨岡の魔羅を扱きながら口を開け、舌を出して射精を待つ。口に出すつもりか!

上から明野の手ごと握って魔羅を扱く冨岡は、小さく声をあげながら明野の口、いや顔にぶっかけた。

「ぅあ、すごい量……」

口や頬からこぼれた白濁が乳に垂れた。

冨岡はもう3回も――3回だったか? 地味にわからなくなってきたが、とにかく何回も達しているというのに、魔羅はまだ元気なようだ。

――アイツ、絶倫だったのか……いや見直したぜホントに。

息を整えつつ明野の顔を拭う冨岡は、掬った白濁を纏う2本の指を明野の口に突っ込んだ。

「綺麗にしろ」

「んっ、ふぅ……んぁ……」

口内まで開発されちまったのか、冨岡の指が動き回ると明野の腰が揺れ、そして自分で乳をいじり始めた。

「勝手に1人でするとは……自慰のほうがよかったか?」

「ちが、っあ、んん……っ」

冨岡はあぐらをかき、明野の口から抜いた指を中に突っ込んだ。

「あぅ、ゆびじゃ、いや……っ、義勇の、ほしい」

「ああ……っ」

冨岡は明野を布団にそっと寝かせる。

それからゆっくりと挿入し、明野を抱きしめた。

――さっきまでの乱暴な態度はどこ行ったんだよ。

思わずそう突っ込みそうになったが、俺は冨岡の次の言葉に耳を疑った。

「明野……やはり俺はもっと優しく抱きたい。今日のようなやり方は向かない」

……え? どういうこと?

冨岡は明野の頭を撫でながら、ゆっくりと腰を動かしている。

「お前が乱暴にしろと言うから、やってみたが……」

「あっ……んっ、だって、んっ、優しくされ、るとぉ……っ」

「優しくされると、なんだ?」

「……恥ずかし、くて、っん、うぅっ、待って、だめ、だめ……っ」

冨岡が少し抽送を速めると、明野は腰を反らせて喘ぐ。

……なるほどな。さっきまでの強引な抱き方は明野から求められてというわけか。さすが俺の弟子、派手な趣味してやがる。

しかし、冨岡は今みたいに優しく可愛がりたいと。

まあ、3回も達しておいて向かないなんて言っても説得力ないけどな!

「俺は、お前の"気持ち良くて仕方がない"という顔が見たい」

「やだっ、そんな、はしたない、とこっ、んぁっ」

明野は恥じらいから嫌がっているようだ。いや、乱暴に抱けと頼む方がはしたなくないか?

しかしまあ、さっきまでの力任せな律動よりも、今のじっくりと深い動きの方が、なるほど確かに気持ち良さそうに見える。

「はっ……そう、その顔だ……っ」

冨岡は薄く笑みを浮かべ、満足げだ。

「はぁ、あぁ、も、むり、もう……いっ、く、いく」

「明野、俺を見ろ」

「んぅっ……はぁっ、ふっ……んん」

深い口吸いを交わすその光景に、俺も魔羅を扱く手の動きを速めて夢中で見入っていた。

――やべえ、俺も出ちまう!

俺は咄嗟にさっき書いた明野に宛てた文を魔羅の先にあて、そこに射精した。俺も冨岡に負けず劣らず派手に大量だ。

ともあれ、やがて冨岡の動きが突くよりも押し込むようなものに変わり、また達したのだとわかった。

「うぁ、あはぁ、ぎゆう、きもちい……っ」

「ああ、俺もだ……」

2人の荒い息は重なっていき、共に整えられた。

冨岡がゆっくり腰を引くと、魔羅が抜けた穴からはどぷりと白濁が溢れ出る。

……アイツ、派手に絶倫すぎるだろ。

「気持ち良さそうだったな」

「ん、やだ、言わないで……っ」

「よし、掻き出すぞ」

「ひっ! いい、いい、大丈夫!」

「大丈夫じゃない。子を作るにはまだ早いだろう。俺はまだお前を子に取られたくない」

「そうじゃなくてっ、自分でやるから」

「俺の方が指が長いし、奥に出したからお前じゃ届かない。――失礼する」

「失礼しないでぇ……!」

そうして、精を掻き出すという冨岡にまた明野は弄ばれていた。

――終わった……よな。

冨岡と明野は連れ立って風呂に向かった。

連れ立ってというか、明野はほぼ運ばれていたが。

いやしかし、俺は冨岡のことを派手に見直したぜ。

いつも何も言わず明野にくっついて回っては甘ったれている、というか全てを目で訴えて察してもらっていると思っていた――ちなみに俺以外の柱の大半もこう解釈している――が、明野のことをちゃんと大事にしてやってんだなとわかって良かった。つーか、安心した。

あと巨根で絶倫だ。まあ俺様ほどじゃねえけどな。

手の中の汚れ切った文が思い出したようにくしゃりと音を立てた。

俺も身なりを直して、そろそろお暇するか。

嫁からの土産はまたあとで改めて持っていけばいいだろ。

そう思い、気配を消してここを去るべく襖に手をかけると、――それが外側から開かれた。

「まだいたのか」

ド派手に目が合った。もちろん相手は冨岡だ。

「……………………よう冨岡。元気にやってるか?」

「……」

何言ってんだコイツ、みたいな顔が腹立つが……今回ばかりは反論できねえ。え、どうしよこれ。

「……いつから気付いてた?」

「玄関に、お前の草履があった」

そうだった。地味に忘れてたぜ。

この屋敷は不思議と居心地が良いから気が抜けてだめだ。

つーか、俺がいるって気付いてて何でやめねえんだよ。

「明野は?」

「湯に浸からせている」

「ああ、そう……」

「これ以上は任務に支障が出る」

「は?」

……ああ、なるほど。一緒にいたらまた手を出しかねないから、先に出てきたというわけか。

俺もだんだん冨岡の言葉が理解ができるようになってきた気がするな。地味に嬉しくねえけど。

「宇髄に聞きたいことがある」

「何だ?」

覗いていたことに対して思いの外怒りを見せない冨岡には拍子抜けしつつ、その続きを待った。

「明野に被虐趣味を植え付けたのはお前か」

「んなわけねえだろうが!?」

「なら何故明野は乱暴を好む……!?」

「知らねえよ!」

明野だって別に誰彼構わず乱暴にされたいわけじゃないだろう。冨岡に派手に求められたかったんだろ知らねえけど!

「……俺の抱き方は問題なかっただろうか」

「知らねえっつってんだろ! 俺に聞くな。明野に聞け」

「あいつは恥ずかしがって本心を言わない」

「文句言わねえってことは満足してんじゃねえの」

俺はめんどくさくなって、あしらうのを諦めてコイツに閨事のなんたるかを教えてやることにした。

「……物知りだな」

「そりゃどうも。それより、これやるよ。うちの嫁からだ。2人で食えってな」

「このために来たのか」

「ああ」

冨岡に土産の西洋菓子を渡すと、小さく礼を言って受け取った。

「茶でもどうだ。宇髄も一緒に食べよう」

「何でだよ。明野が嫌がるだろ」

冨岡は今渡したばかりの菓子を持ち上げて俺を誘う。

いくら元師範といえど、いや元師範だからこそ、閨事を覗かれ痴態を散々見られた後に顔を合わせたら余計に気まずくなるだろ。

「何故明野が嫌がるんだ? あいつは宇髄のことが好きだろう」

「!? ……はぁッ!? 冨岡お前、派手に熱でも出したか!?」

「? 熱はない」

律儀にも額に手を当てて答えた冨岡は、至って真顔だった。

あの冨岡が……明野に近づく者は老若男女問わず敵視していた冨岡が……!?

「何だ」

「いや……お前、明野が俺のこと好きでいいのかよ……!?」

驚きすぎて地味な返ししか出てこねえんだけど。どうしてくれんだ。

「お前は明野の兄だ」

「ちげーよ」

「あいつは兄を亡くしている。兄になってくれ」

「 …………」

断りづれえな……。

「あーハイハイ。兄貴分にはなってやるよ。なってやるからお前はもう地味に黙ってろ」

「ありがとう。明野も喜ぶ」

……冨岡って、表情筋あったんだな。

*****

結局、冨岡に押し切られる形で茶をしばいていくことになった。

ちなみに明野が茶と茶菓子を用意しようとすると、冨岡は明野を座らせて自分で全てやっていた。コイツいつもと態度が真逆じゃねえかよ。

「あ……あの……天元さん……」

「あ?」

真っ赤になっている明野とは対照的に、冨岡の表情は無――いや、凪だ。

「そうだ明野。お前、冨岡で満足できてんのか?」

「えっ!?」

明野は案の定驚く。普段の淡々とした態度を崩すのは、正直言って派手におもしれえ。

「この際派手に言ってやれって! 冨岡も地味に気にしてたしな」

「え、そ、そうなの?」

「……」

冨岡は照れたのかそっぽを向いた。お前がやってもかわいくねえぞ。

「えっと……満足、してます……」

「だってよ」

冨岡は満足げにニヤついている。なんだその顔気持ち悪ッ!

「へえ〜! そんで、どの体位がイイんだ?」

「なんっ、なんでそんなことまで! 天元さんの変態!」

「師範に向かって変態とは何だ! オイオイ、旦那の躾がなってねえんじゃねえのか?」

こうなったらからかい倒してやろうと決意し、冨岡を見る。

「明野……どの体位が良いのか、俺も知りたい」

「あ、う、えぇ……っ」

結局冨岡のおねだりには逆らえないらしい。多分冨岡もそれをわかっててやっていやがる。

明野は冨岡の耳元に顔を寄せて、答えを囁いた。俺耳良いからそういうの全部意味ないけどな。

「あの、ね……う、うしろから、するの……」

「後背位か。覚えておこう」

「ぶっ! おまっ、冨岡お前、最高……!」

笑いが止まらねえ。せっかく明野がこそこそ話をしたというのに、何で普通に復唱したんだよ。

「明野、お前も良いシュミしてんじゃねえか!」

「あ……あ……あ……」

やべ、明野がぶっ壊れちまった。

こんなに取り乱した様子は初めて見たが、なかなか見応えがある。

いつももっと、それこそ胡蝶や甘露寺なんかと一緒になって年相応にはしゃいげばいい。冨岡の世話なんてほっといてな。

「じゃ、俺は帰るわ。ほどほどにヤれよ〜」

「それは難しい」

「マジで答えんな」

明野と連れ立って玄関に見送りにきた冨岡は神妙な表情で答える。アホか。

「明野。閨事の相談なら、うちの嫁たちが歓迎するぜ」

「へ……ありがとうございます……?」

疲れがきたのかうつらうつらとしている明野は、冨岡に肩を抱かれ寄りかかって立っていた。

「宇髄、感謝する。先ほどの助言、早速試す」

「一応言っとくが、明野が起きてからにしてやれよ」

「努力する」

だめかもしれない。明野が任務に行けなくなったら今回ばかりは代わってやろう。

明野の屋敷を出ると、まだ日が高いことに気づく。

それにしても。

……はりきる冨岡、気持ち悪ッ!

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