蟲柱・恋柱編

【義勇視点】

これは罰なんだろうか。

「明野ちゃんと冨岡さんのラブラブえっちが見たいです!」

「冨岡さん、効果が切れないうちに早く始めてください」

期待の眼差しを向けてくる甘露寺と、その横でいつものように微笑んでいる胡蝶。

目の前には教卓を支えにして俺に尻を向ける明野がいる。今日も丸くて弾力のある良い尻だ。

しかし、ラブラブえっちというのは、具体的にどうすればいいのだろうか。

甘露寺は甘い言葉をかけろと言っていたが……。

「今日も良い尻だな」

――どうやら間違えたようだ。

明野は恥ずかしがっているし、甘露寺と胡蝶も納得していなさそうな表情だった。

「良い尻だと思うんなら俺らにも派手に見せてみろ!」

宇髄は論外だ。

「冨岡さん、難しく考える必要はありません。あなたがいつも明野に対して思っていることを、言葉にすればいいんです」

胡蝶の助言でようやく理解できた。そんな簡単なことだったとは。

明野に対していつも思っていること……。

「愛している。ずっと一緒にいてほしい」
(愛している。死ぬまで……いや、死んでもずっと傍にいてくれ。来世というものがあるのなら、また夫婦になってほしい)

明野は顔を真っ赤にして俺を見上げ、

「はい……」

と微笑んだ。

明野も同じ気持ちだということか。

「キャー! 素敵よ冨岡さん! 次はカッコの中身もお願いします!」

「確かにカッコの中身が足りていませんが……まあ及第点ですね」

カッコの中身ってなんだ。

しかし、これは嬉しいことだ。

明野は俺には勿体無い女だし、そもそも俺なんかには幸せになる資格などないと思っていた。

明野にも、探せばもっと良い男がいるはずだと今でも思っている。

だが、それでも俺は明野を離したくない。

こんな状況で尻を丸出しにされてもなお健気に頷いてくれる明野に俺は愚かにも劣情を抱いて――

「もしもーし、冨岡さん? この状況で黙られては皆困るんですけど」

胡蝶の声で思考が中断されてしまった。しかもまた香の煙が飛んでくる。

「冨岡さん、その調子で続けてくださいね!」

甘露寺に促され、俺は思いつく限りの甘い言葉をかけることにした。

「明野は、かわいい」
(容姿もだが、性格が本当にかわいいと思う)

「……」

「構ってくれて嬉しい」
(すぐに俺の気持ちを察してくれるし、食事や身の回りの世話までしてくれて助かっている)

「……」

「夜も積極的で最高だ」

「それは人前で言わなくていいから……!」

「時がきたら、俺と結婚してくれ」

「……する」

甘露寺がなにやら叫びながら飛び跳ねているが、喜んでいるようなので大丈夫だろう。胡蝶もサムズアップをしている。よし。

確かに頷いた明野に喜びが込み上げる。

……しかし、結婚という言葉をまだ出すつもりはなかった。なぜ口走ってしまったのだろう。あの香のせいだろうか。

姉さんは祝言を挙げることもできずに殺されたのだ。明野の同意があるとはいえ、やはり俺なんかがこうも簡単に幸せになることなど――

「冨岡さ〜ん、早く続きを」

「ハッ」

そうだ、いまはとにかくこの"罰"を受けきらなければ。

まだ応えられていない要求がたくさんあるし、この後のほうがはるかにハードだ。

俺も明野も香の効果で正常な思考など働くまい。俺が言ったのは確かに本心ではあるが……。

「義勇、あの、早く……続けて……?」

恥じらいながらも腰を揺らして俺を誘う明野。

俺は確信した。やはりこれは罰ではなく、褒美だ。

*****

教卓の陰で明野の下半身に指を這わせた。

「はぁ……っ」

内股を撫で、すでに濡れている割れ目をなぞるようにいじると、明野はびくりと体を揺らす。

「指を入れるぞ」

「ん、んん……っ」

緊張や羞恥のせいか、いつもよりきつい気がする。だが仕方ない。指を2本に増やしてほぐしていく。

……そうだ、甘い言葉をかけなければ。

「もうこんなに濡らしていたとは、俺の言葉だけで感じていたのか」

「だめだめっ、冨岡さん、それじゃ言葉攻めです! もっと甘やかしてください!」

甘露寺に注意されてしまった。

「お、俺の言葉だけでこんなに濡れるとは、いやらしくてかわいいな」

思っていることを言葉にするのは難しい。そもそも、そこまで詳細に口する必要はあるのだろうか。

「中もとろとろになっている。もう入れていいか?」

「ん、大丈夫」

クリを親指で擦りながらそう聞けば、教卓に縋りつくようにしていた明野は顔を上げて振り向き、頷く。物欲しそうな表情だった。堪らないな。

「堪らないな」

俺も隊服の前を寛げて魔羅を取り出し、狭い入り口に亀頭を押し付ける。

「オイ! チンコまで隠してんじゃねえよ! 男だろ!」

宇髄は俺の魔羅が見たいのか? よくわからない奴だ。

「入れるぞ」

「ん、ぐ、ぅ……っ」

俺はシているときの明野の顔が見たいので、最初からバックでしたことはなかった。

「痛くないか」

「だいじょうぶ、ぅ、あっ……」

やはりいつもよりきつい。だが痛くないと言うので続けることにする。

……いや、待て。これは本当に"ラブラブえっち"か?

――否!

「明野、やはりベッドでするぞ」

「えっ? でも……」

「バックで犯すことをラブラブえっちと呼ぶなど、笑止千万!」

半分ほど挿入していたモノをずるりと引き抜くと、明野はびくりと腰を揺らす。

「俺は気付いたぞ。ラブラブえっちとは、多分、俺が一番好きな抱き方のことだ」

「…………気付いちゃったかぁ……」

「!? わかっていたのか? なら話が早い」

やはり明野は頭が良い。俺のこともよく理解してくれている。

ベッドに明野を仰向けに寝かせて、隊服の上着を取り払った。

皆に明野の身体を見せるのは不本意だが、致し方ない。

宇髄を筆頭に、男性陣が食い入るように見つめてくる。なるべく見せないように、さっさと明野に覆い被さった。

明野ばかり脱がせるのも悪いので、俺も隊服の前を開けた。

筋肉に憧れのある明野のことだ、俺の胸筋と腹筋が見えれば喜んでくれるだろう。ムフフ。

「入れるぞ」

さきほどよりほぐれた中に、魔羅を全て挿入する。

「いいぞ明野! 派手にエロい!」

「よもや! セックスを始めるのにこうも時間がかかるとは! 難儀だな!」

「黙っていろ宇髄、集中できないだろうが。それと煉獄、いきなり挿入しては女性が怪我をする。前戯とは必要な工程だ。覚えておけ」

伊黒、良いことを言う。流石だ。

「なるほど! 心得た! 伊黒は経験豊富なのだな!」

「そんなわけがあるか! あくまで知識だ!」

「キャ――! 予習も完璧なのね、素敵よ伊黒さん! きっと前戯もネチネチしているんだわ!」

甘露寺も喜んでいる。良かったな。

「明野、動いていいか? 痛くないか」

「ん……」

声を我慢しようと手で口を覆う明野は頷く。

その両手をそっと取って、頭上で纏め上げて右手でベッドに押さえ付けた。

それからゆっくりと抽送を始める。

「あっ……んっ……」

「声をもっと聞かせてくれ」

「や、ぁ……っ」

「……そうか。快感が足りていなかったか」

徐々に動きを速めると、明野もついに我慢がきかなくなってきたようだった。

「あっ、はぁっ、ん、声、出ちゃう、ぅんっ、う」

「くっ……ん"ん……っ」

「うるさいぞ冨岡。貴様が喘いだせいで萎えたぞどうしてくれる」

「……堪え性がないな」
(我慢はしていたつもりだが、男の喘ぎ声なんかを皆に聞かせてしまうとは申し訳ない。俺は堪え性がないな……)

伊黒を怒らせてしまった。だが、もう俺は正直それどころじゃない。

「明野、もう少し、っん、速めるぞ」

「ん、ふっ、あぁ、あっ!」

ゆさゆさと揺れる胸を揉みつつ、ぷくりと膨らんだ乳首をつまんだり吸ったりすると、明野は腰を反らせて鳴く。

「はぁっ、かわいいな、明野、好きだ……っ」

「あ、んっ、ふ、んむっ」

明野の背に腕を回し、キスをしながら最奥まで突き容赦なく攻め立てた。

「ぎ、ゆう……義勇、っあ、ん、わたしも、すき……っ」

「明野……ッ」

「あ、うぅ、も、だめ、きもちぃ、いく、いく……っ」

「あぁ、俺も……ッ、っう、ん"んっ」

ぎゅうっと中が締まり、明野も全身で抱きついてきて、イッたのだとわかった。俺もほとんど同時に明野の中でイく。

……気持ち良すぎて俺も声を抑えられなかった。

「明野……」

射精後特有の倦怠感が襲いくる。

このまま、明野を抱いたまま、その胸に顔を埋めて眠ってしまいたい。きっと明野はいつものように受け入れてくれるだろう。

明野を見ると、彼女もまたぼんやりとした様子だったが、その恍惚とした表情はどこか艶めかしい。俺の頭は途端に覚醒する。

堪らずキスをすれば、俺の後頭部に明野の手がゆるりと回され撫でられた。

「ん……好きだ、明野……」

俺はこれが"罰"だということも忘れ、また猛り始めた魔羅を――

「――終わりだよ、義勇」

お館様の声がやけに大きく響いた。

「しのぶ、蜜璃。"お香の効果でラブラブえっち"は、満足できたかな?」

「「はい!」」

胡蝶と甘露寺の返事で、俺の頭は急激に冷えていった。

「明野ちゃんも冨岡さんも、とってもかわいかったわ! 2人が好き合っているのも伝わってきてキュンキュンしちゃった!」

「そうですね、冨岡さんが明野のことをちゃんと大切にしているようで良かったです。ちなみにこのお香、別に催淫効果はありません」

「えっ、そうだったの!?」

「ええ、2人にはそんなもの必要ありませんから。ただのリラックス効果です」

「じゃあ、明野ちゃんと冨岡さんがしきりに好きだ〜って言ってたのは、お香で言わされていたんじゃなく本音だったってことなのね! 素敵だわ……!」

「ふふっ、そうみたいですね。まったくもう、見せつけてくれるものです」

「し、しのぶちゃん、お香をそんなに強く握りしめたら火傷してしまうわ!」

な……なんだこの拷問は……!

明野を好いているのは本当だ。皆もそれは承知しているだろうが、それをわざわざ解説など……ッ。

「ああ……尊き純愛だった……南無……」

「明野さんの声は結構良かったけど、見えてないから状況がよくわからなかったな」

「冨岡がうるさくて抜けなかった」

「俺もだァ。ぬるいセックスしやがってェ」

「明野は派手にエロかったな。だが冨岡、地味に優しいばかりじゃ飽きられるぞ!」

「うむ! お手本のようなセックスだったな! 良かったぞ、冨岡! 明野さんの艶やかな姿をもっと見せてほしい!」

……胡蝶と甘露寺は満足できたようだが、男性陣にはそこまで受けがよくないようだ。

「まだ、皆は納得できていないようだね。――次のプレイに進もうか」

「「……はい……」」

俺たちはもう、頷くしかなかった。

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