まだ

1週間後、明野は柱になった。

柱合会議で全員と顔を合わせ、諸々の報告や情報共有など、通常の会議を終えた後。

「冨岡くん、今日も鮭大根でいい?」

「いや、今日も鮭大根いい」

所帯染みた会話をしながら解散しようとする冨岡と明野を胡蝶は微笑ましく見守ったが、宇髄は見逃さなかった。

「オイ冨岡、清藤。お前ら派手に恋仲になったのか!?」

「ああ」
「はい」

「……ツマンネ」

宇髄は反応の薄さにがっかりした。

冨岡は単に事実を述べたまでだが、明野はいじられ回避のために素直に頷いた。

宇髄の魔の手から逃れたかと思いきや、2人の前に立ちはだかる大きな影。

「なんと……柱同士で、夫婦とは……」

岩柱・悲鳴嶼行冥である。

明野は悲鳴嶼とは初対面だった。

最古参の柱だと聞いていたし、彼が隊士たちのまとめ役であることは一目で理解した。

浮かれるなと怒られるんじゃないかと思って普通に怖かった。

「まだ、夫婦では」

だが、冨岡は動じることなく否定する。

「そうか……実にめでたいことだ。祝言を挙げるときは、呼んでくれ」

悲鳴嶼は隊士の慶事を喜び、涙を流してそう言い去って行った。

「……びっくりした」

「そうだな」

冨岡と明野は顔を見合わせ、感想を言い合って帰って行く。

後日、産屋敷からも同じような内容の文が届いたのだった。

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