相談
【明野視点】
最近ずっと何者かの視線を感じる。
「どうした、んな地味なツラしやがって。良い女が台無しだぜ」
「あ、宇髄さんお疲れ様です。今日も暇そうですね」
「暇じゃねえわ! このちんちくりんが!」
通りすがりの宇髄さんに頭をぐりぐり抉られた。
宇髄さんとは任務で知り合い仲良くなった。
派手好きで子供みたいなはしゃぎ方をする人ではあるが、その実周りをよく見ている先輩だ。ちょうどいいから相談してみよう。
「あの……水柱にここ数日尾行されているんですけど、あれは何かの任務ですか?」
宇髄さんは数秒黙ったかと思えば、爆笑し始めた。
「お前だったのか、アイツの一目惚れの相手」
「はい? 冨岡くんってそういう感じの人ですか? なんか性欲とかなさそうですけど」
「そんな地味な男いねーよ。良かったな、お前にも相手がいて」
宇髄さんはニヤニヤとして揶揄う姿勢を崩さない。
「相談する相手間違えましたね、私。お疲れ様でしたー」
「どこ行くんだよ?」
「帰ります。カナエの方がまともに話聞いてもらそうなので」
「……そうか?」
少なくとも宇髄さんよりは。