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品川の水族館へ誘い、共に休日を過ごした。
帰り際に引き留めると、意外な胸の内を明かされる。

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【暁視点】

先日成り行きで屋根裏に泊まっていった明さんは、マスターが来る前に家に帰った。

ちなみにその朝は、二人して怒るモルガナに叩き起こされた。

もちろん明さんにはモルガナの言葉は聞こえていないから、ただ猫がニャーニャー鳴いてるだけだったんだろうけど。

最終的に明さんは"飼い主さんを取ってすみませんでした"なんて、モルガナに謝りながら帰って行ったのだが。

そのせいで俺はもっと怒られたけど、まあそれはいい。

もう明さんも帰った頃だろうと屋根裏に戻ったところ、ちょうどその……俺たちがいかがわしいことをしている場面を目撃してしまったらしい。

モルガナには先に説明しておくべきだったと反省している。いや、媚薬のことは知らなかったから説明のしようもなかったが。

ともあれ、あの日にあったことはなんとなくボカしつつもモルガナには説明し、謝罪して納得してもらったので問題ない。

問題は、あれから明さんが俺の誘いになかなか乗ってくれなくなったことだ。


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「なんだ、今日も駄目だったのか?」

「ああ、先約があるらしい。こんな夜なのに……」

「ミカゲのヤツ、恋人でもいるんじゃないか?」

「そ、そんな……そんなわけ――」

「お、おい、可能性の話だよ。そんな落ち込むなって。……めんどくせーな」

いや、モルガナの言うことももっともだ。

あんな綺麗な人だし、武見先生の口ぶりじゃ意外と遊んでいるようだし、まさか、恋人じゃなくてセフ――

「当日の誘いが駄目だったんなら、あらかじめ日にち決めてから誘ってみろよ! そしたらいけるんじゃないか?」

「天才か」

事情を話せば最初は仕方なくといった様子で協力してくれることになったモルガナだったが、最近はあまりにも俺が落ち込んでいたせいか、より協力的になってくれていた。

「やってみる。あ、家じゃなくて、明さんの興味ありそうなとこに行くのもいいな」

明さんの興味ありそうなとこ……全く想像がつかないが。

「オマエ、いつまで悩んでんだよ。水族館とかプラネタリウムとか、色々あるだろ。さっさと連絡して、もう寝ようぜ」

モルガナがうんざりし始めたのに若干傷ついたが、とりあえず明さんに誘いのチャットを送り、俺は寝ることにした。


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翌朝、休日だったのでいつもより遅めに起きると、モルガナは先に1階でマスターにエサ――じゃない、朝食を貰っていた。

「ったく、いつまで寝てんだよ」

「おはようございます」

マスターの呆れた声をBGMに、用意してもらったカレーに手をつける。いつものことながら美味い。

カレーを食べ終わって食後のコーヒーを味わっていると、スマホの着信音が鳴った。

確認すると、明さんからチャットの返信が来ている。


明『暁くん、土曜も学校ありましたよね?』
明『今週の土日は空いています。暁くんの都合の良い方で大丈夫ですよ』


メッセージを見た俺は静かに舞い上がった。

「ん、どうした? ニヤけやがって、女か」

「いや、男です」

「はぁ? ……何でもいいけどよ。店開けるから、猫連れてどっか行ってろ」

「ごちそうさまでした」

それから俺は皿を洗って屋根裏部屋に戻り、明さんに返信する文面を考えることにした。

結局昨夜は日時と場所は指定せず、明さんの空いてる日を聞いただけだったため、後のことはこれからだ。

「今日はどうするんだ? 誰かに会いに行くのか?」

「いや、今日はメメントス。明さんに貰った薬がシャドウに効くか試したい」

「なるほど。じゃあさっそくミンナを集めようぜ」

「明さんに返信してから」

「……早くしろよ」

まだしてなかったのか、みたいな目はやめてほしい。

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