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【銀時視点】

「……梅、遅くね?」

梅がバイトを探し町にくり出したのが昼の1時過ぎ。そして今はもう日も落ちかけた午後6時。

たかがバイト探しにしては時間がかかりすぎている。

「確かに。バイト探しに行ったんですよね?」

「銀ちゃん探しに行けヨ。ついでに仕事も探して来いヨ」

「…………」

正直ちょっと面倒くせェ。仕事は普通に面倒くせェ。

もちろん梅のことは心配だ。だがアイツももう子供じゃねェし、そもそも新八や神楽が心配するほどヤワな奴でもねェ。刀も持って行ったみてェだし。

……ま、慣れない土地で迷っただけだろ。

「しゃーねェ。ちっと行ってくらァ」

と、俺が重い腰を上げたところで、ガラガラ、と玄関の開く音がきこえてきた。

「あれ、帰ってきたみたいですね、梅さん。良かったァ」

新八がそう言うと、神楽は梅を出迎えに玄関へ走って行く。オイ、銀さんにはそんなこと一回もしてくれたことなかったよなお前。別にいーけど? 扱いの差とか全ッ然気にしてねーけど?

少ししてから、居間の扉が開き、梅と神楽が入ってきたのだが――

「銀時、就職先、決まりましたよ!」

満面の笑みだった。

*****

「さすが梅アル! ぐーたらして依頼の一つも来ない銀ちゃんとは大違いネ!」

俺のしらないところでいつの間にか梅に懐きまくっていた神楽は、俺の方をみてバカにしたような笑みを浮かべていた。

「神楽チャ〜ン? お前いつの間にンな懐いてたんだ? オイ抱きついてんじゃねーよそこ俺の特等席なんですけどォ!?」

「銀さん何大人気ないこと言ってんですか」

「ホントアル。梅は料理もうまいし面倒見も良いし、料理もうまいし、おっぱいもデカいし料理もうまいネ。これこそマミーにふさわしい存在、梅は私の地球でのマミーアル」

「料理ばっかじゃねェかァァァ! あとおっぱいいつみた! 俺ァ許可してねェ!!」

「お前の許可なんて一々いらねーヨ! 一緒に風呂入った時みたもんネ! 見放題触り放題揉み放題だもんネ!!」

「アンタら何の話してんだコラァァァァ!!」

真っ赤な顔の新八がツッコミを入れ、とりあえずこの場は収まった。

オイオイぱっつぁん、おっぱいってきいただけで顔真っ赤にするたァ、さすが童貞だなァオイ。つーか梅の方チラ見すんな、バレてんぞ。

新八をじっと睨んでいると、突然わざとらしく"あ!"と声を上げた。

「梅さん、就職先決まったんですよね? どこで働くんです?」

「え? あ、ええと」

梅は少し赤い頬を片手で押さえながら――人前で胸がどーこー言われて恥ずかしがってんだろう。赤くなっちゃってまァ〜かわいいなオイ――持っていたビニール袋を差し出した。

「とりあえずこれ、お土産です」

「何、就職先からの土産って」

ンなモン初めてきいたんだけど。あと結局どこで働くんだよ。

「何アルかコレ。食べ物アルか?」

神楽がビニール袋を漁ると、出てきたのは大量の魚肉ソーセージだった。

つかコレ、どっかで――

「"真選組ソーセージ"だそうです。マヨネーズに合うみたいですよ? まあ、マヨネーズは何にでも合いますけど」

「え? 真……選、組……?」

固まる俺らをよそに、梅は首を傾げている。そんな姿もかわいいけど、かわいいけど……!

「はい。明日から真選組で雇ってもらえることになりました。あと一番隊? に配属されるみたいです」

な、何言ってんのこの子ォォォォ!!

一番隊? それって総一郎君のトコじゃね? つーか女中とかじゃねェの普通? 何さらっと隊士に採用されてんの!?

「やっ、でも、あそこ確か女人禁制でしたよね!?」

「そうなんですけど、人手不足らしくて隊長さんが特別に許可とってくれたんです。あ、その隊長さん、沖田さんっていうんですけど、私より全然年下で。若いのに隊長なんてすごいですよね〜」

「ね〜……じゃねェだろォォォ!!」

「そうアル! あんなドSのとこで働いてたら梅の貞操が危ないネ!」

「そうですよ! まさかもう首輪とか縄とか手錠とかかけられたりしてないですよね!?」

「え? 3人とも沖田さんのことしってるんですか?」

猛反対する俺たちに梅は若干引き気味だった。

「つーかよォ、ゴリラはともかく、あのニコチンマヨ副長がそんなん許すかァ?」

「ニコチンマヨ副長って……土方さんですか? 土方さんも最初は反対してたんですけど、"仕方ねェ"って」

なんでだァァァ!

唯一反対しそうな奴が絆されていた。もしかして梅のかわいさにやられたとかじゃねェよなァ? ニコチンコに梅はやれねーよ!

「つかもう何でもいいから真選組はやめてェ! 300円あげるからァァ!」

「ええ、そんなこと言われても……"真選組に入る気があンなら、女でも容赦はしねェ。明日から覚悟しとけ"って言ってたんで、今更やめたりできませんし、――300円以上時給もらえますし」

「マジでか……」

なんか今ちょっとバカにされた気ィすっけど。

しかしまァ、とりあえず、梅が万事屋の嫁だっていうのはまだバレてねェみたいだな。それだけが救いというべきか。

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