似てる二人は結託する

「えー私こっちがみたいアル。チャンネルはそのままにしといてヨ」

「い、いや〜、それはやめとこーぜ?」

「そ、そうですよ、別のにしましょう、神楽ちゃん!」

「何怖がってるアルか二人とも。梅はまだしもいい年したオッサンが震えててもキモいだけネ」

「はァ!? 怖くねーし!? 震えてもねーし!?」

「これは武者震いですよ! かかってこい! っていうアレです!」

「銀さんのは知ってましたけど、梅さんも怪談苦手だったんですね。ちょっと意外です」

「だから違いますって! これはその……あ、兄上の中二病が感染したんです! ひっ、左目が疼くゥゥ!」

「オイ梅、キャラがブレてんぞ!」

「はっ」

「情けない大人たちアルな〜。あ、始まったアル」

『おわかりいただけただろうか……では、もう一度ご覧いただこう。誰もいないはずの脱衣所に……』

「やっぱり、お風呂とか厠とか、水場の幽霊は定番ですよね」

「あ、あ……もう、今日はお風呂入れません……!」

「厠も行けねェよ……どうしてくれンだテメーら……!」

「いや、どんだけビビッてんですかアンタら」

「真夏に風呂入らないとかある意味テロアル。臭いから近寄らないでヨ」

「「ぐっ……」」

「二人とも、幽霊なんているわけないじゃないですか。ほら、真選組の時のだって結局天人だったし」

「バババババッキャロー!! スタンドって言えボケェェ!!」

「いやツッコむとこそこじゃないだろ」

「…………あ」

「……え、なんですか神楽ちゃん、何こっちみてるんですか」

「オ、オイ冗談よせよ神楽ァ、何指さしてんの? お前には何がみえてるの?」

「というか何かみえてるんですか!?」

「……う、ううん、何でもないアル。脅かしてゴメンヨ」

「オイィィィ!! ぜってェ何かあったよなァ今!!」

「は、はは……ははは……」

「ちょっと神楽ちゃん、梅んが恐怖のあまり笑いだしてるんだけど! こっちのがよっぽど怖いんだけどォ!」

「しっかりしろ梅! お、おおオメーのことは、俺が、ま、ま、まも、まままま守るんだからよォ!」

「説得力無さすぎアル」

「神楽ちゃん、こういう状態の人脅かしちゃ駄目だからね」

「え? さっきのはホントに――あ、間違った。何でもないアル」

「神楽ァァァ! オメーはもう何も喋るな!!」

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