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「……は？」
本日二度目のは？ である。
「聞かれると出てこない」
「なんだそれ」
「でも、何かこう、すごく、可愛いと思って」
「…………」
ごめんちょっとわかんない。
「かず君は、緑間君と仲良いよね」
「え？ ああ、うん。まあ、同じバスケ部だし」
「いいなあ、そういうの」
「部活入んないの？」
「入ってるよ、帰宅部」
「エースだもんな」
「そうだよ。ていうかかず君、話逸らさないでよ」
「え？ 逸らした？」
「多分。とりあえずね、緑間君は、すごい可愛い」
「亜依ちゃん、その結論に至る過程が全くもって説明されてないんだけど」
「えー」
「えー」
平行線ですね。境界線上に至ろうぜ亜依ちゃん……。
「あ、わかった」
「何が」
「緑間君見てると、ムラムラする」
「はあ！？」
驚きの新事実発覚。幼馴染が変態でした！
「かず君、しない？」
「しねーよ！」
「だって、緑間君、たまにすごく色っぽいんだよ」
「知らないし、知りたくねーよ、そんなこと」
チームメイト(男)の色っぽい一面なんて。
「かず君、これを知らないなんて、人生損してるよ」
「してないと思うけど」
「絶対してる。してるよ絶対。この前試合見に行ったんだけど、シュート打った後に息つくでしょう緑間君」
「何で知ってんのそんなこと」
息なんて、少なくともコート内にいないとわからないはずだ。
「見てればわかるよ。いいなあ同じコートにいられて」
「へー、すげーわ亜依ちゃんマジパネェ」
「真面目に聞いてよね。こんなことかず君以外話す相手いないんだから」
「真ちゃんに言えよ、直接」
「ばか。できるわけないでしょ、恥ずかしい」
「あ、なんか今の"ばか"って可愛い。もっかい言っ――じゃない、今度真ちゃんに言ってあげなよ。絶対いい反応するから」
「だから恥ずかしいってば」
「真ちゃんは鈍感な上に奥手だから、ストレートに言わないと曲解されるぜ？」
「え？ ストレートにって、何を言うの？」
「え？ 真ちゃんのこと好きなんじゃねーの？」
「え、違うけど」
「は？」
じゃあ今までのなんだったんだよ！