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時は変わって、放課後。
部室に少し早く着いたオレと真ちゃん。
「……高尾」
「何?」
真ちゃんから話しかけてくることは珍しい。
何かあったのだろうか。
「お前は――……いや、なんでもないのだよ」
「は?」
何なのだよ。
「ちょ、すげー気になるんだけど」
「何でもないと言っている」
「えー教えろよー」
「しつこい」
いつも通りのぐだぐだな会話だが、真ちゃんの様子が少しおかしい。
視線が散っている。
それに、少し顔が赤い、ような気がする。
え……え、オレ、なんかしたっけ……?
「はぁ……。お前は、……明坂と、な、仲が良いのか……?」
「は?」
突然言われた真ちゃんのその言葉に、オレはポカーンと間抜け面を晒した。
「……高尾。お前の表情筋はどうかしているのだよ」
「オレそんな変な顔してた!?」
「ふん、そんなことはどうでもいい。早く質問に答えろ」
「えー真ちゃん横暴……まーいいけど。十夏ちゃんのことだっけ?」
「……そうだ」
「ま、仲はいいけどー……つーか幼馴染だし。で、何でそんなこと聞くわけよ?」
「な、幼っ――、……お前には関係ないのだよ」
「……あっそ」
うわー……真ちゃんわかりやすい。
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高尾君とは親同士仲がよくて、たまたま同じ時期に子供産んで、そっから腐れ縁的付き合いをずるずるしてて、何となく以心伝心気味で、亜依さんにほの字の緑間っちが気が気ではないのだよとか。