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【K】八田美咲/女主(伏見成り代わり)
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【亜依視点】
今日は久々の早番だ。
"室長のお気に入り"権限を行使してぶんどった寮の1人部屋に帰る。
――と、帰ってきたは良いが、食べ物がない。インスタントのものすらも。
「チッ……めんどくさ」
適当に食べてさっさと寝ようと思っていたが、予定を変更して近所のスーパーに行くことにした。
*****
「テメェ、何でんなとこに……ッ!」
「はあ? いちゃいけないっての? 美咲」
目の前には美咲と三下の巨漢。
どうやらまだ十束さんの事件について聞き込みをしていたようだ。
美咲の後ろには2、3人女がいた。
多分あの三下が声をかけてビビらせたところを美咲に注意されたんだろう。
「はあ……にしても、ほんと、相変わらず童貞丸出しって感じね、美咲」
「あぁ!? テ、テメェには、関係ねーだろ猿ッ!!」
"童貞"という言葉に若干照れている美咲。中坊以下だ。
――だが、
「ねえ美咲? 私が――」
感情が高ぶったせいか、指先から少し炎が出ている美咲に、サーベルには手をかけず、近づく。
「っんだよ」
美咲は一歩後ずさった。
「私が、卒業させてあげようか?」
避けられる前に美咲の腕を掴み、自分の胸で挟むように押し当てた。
「なっ――に、言ってんだ猿! つか何してんだ!! 離しやがれッ!」
「その顔で言われても説得力ないなあ美咲ぃ」
女の胸なんか触ったことのない美咲は、やはり童貞丸出しの、羞恥心と欲で揺れ動く中坊のようだった。