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「っん、ッ!?」
コ、コイツ、何して――!?
「んぁ、美咲ぃ……」
聞いたこともない声をあげて、俺の唇や舌に吸い付く亜依。
身体からだんだん力が抜けていくのがわかる。
――やべえ……キスって、こんな気持ち良いもんだったのかよ……ッ。
たまに当たるメガネが少し痛いが、これ以上ないほどの至近距離にいる亜依の唇は柔らかく、細い腕は縋るように首にまわされていた。
鎖骨のあたりに感じる柔らかさを必死で無視し、亜依の肩を押して、唇を離した。
「はぁっ……亜依」
亜依を見ると、いつの間にか奴はオレのズボンに手をかけていた。
「おまっ、何して」
「そういうの、童貞のほうがわかるんじゃない?」
「どッ、童貞童貞ってなぁッ! 女がそういうことあんま口に出すんじゃねえよ!」
「何今更? そんなことより、ね」
亜依は止めていた手を再び動かし、ズボンを半ば強引に脱がせた。
そこはすっかり元気になっていて、パンツはテントをはったようになっていた。
「ふふ、随分良い反応ねえ美咲?」
「うるっせェ!」
「良い反応」
見慣れたにやりとした笑みを浮かべ、とうとうパンツにまで手をかける亜依。
――コイツがまともに笑ってるとこ、見たことねえんだけど……。
そんなことを思っている間にもパンツは脱がされていく。
この脱がせ慣れてる感がたまらなく腹立つんだが。
「っんの……クソビッチ……ッ!」
せめてもの抵抗に、まあ多少恥ずかしくはあったが、罵倒してやった。
亜依を見れば、
「…………」
――"クソビッチ"って、褒め言葉じゃねえよな……?
数秒こちらを見つめた後、頬を赤く染めて、また、にやりと笑った。
「人聞きの悪いこと言わないでよ美咲ぃ……。私処女――」
「処女なのかよ!?」
「最後まで聞けよ……違う」
「なっ――」
散々童貞と馬鹿にされていたが、コイツも結局は処女なんだろうと思っていた。
「……誰としたんだよ」
「美咲には関係ないでしょ、そんなこと」
「それは、ねえけどよ……ッ!」
「……はぁ。1人だけ、上司と」
"上司"? じゃあ吠舞羅を抜けた後、っつーことは、青服に入ってからか。だがコイツはNO.3。NO.2はあのツンドラの女。それはつまり――
「どうでもいいでしょ? そんなこと」
そう言って、亜依はさっきより焦ったように、半端に脱がせていたパンツを取り、上を向いたオレのちんこを口に含んだ。
「ん……、美咲のくせに、おっきい……」
「ぁっ、喋んなクソ猿ッ……!」
ほぼ反射的に亜依の頭を掴んだ。
「んぐっ、ぅっん」
「あっ――わりぃ……っぅあ」
頭を押さえる手に力が入ってしまい、亜依の口にオレのちんこが半分以上入った。
先端が喉に当たって、思わず声が出る。
腰がびくりと震え、もう考えるのがだるくなってくる。
後はただ本能的に腰を動かし、
「あっ、亜依、も、出る……ッ!!」
自慰よりも何倍も強い快感を感じて――顔射した。