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【K】淡島世理/女主(伏見成り代わり)
※百合・生理ネタ
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【亜依視点】
特に事件などもなく、平和な午後。
いつも通り、秋山の向かいの机で事務仕事をする。
「…………」
……何か、見られている気がする。
パソコンの画面を見る振りをして、ちらりと秋山を見た。
目が合ってしまった。
「………………」
さっと視線を逸らし、見なかったことにする。
「……伏見さん」
「何です?」
「顔色悪いですよ」
「は?」
顔色、と言われてつい顔に手が伸びた。触ってわかるわけではないが。
私は鏡を持ち歩くような女子力を備えていないので、今顔色の悪さを確認することは出来ない。
「……伏見、体調が悪いなら早く言いなさい」
「チッ……別に、問題ありません。それより――」
副長のハンコが必要な書類があるのを思い出し、彼女のところに行こうと席を立つ。と、
あ。
"何か"が出る感覚。
「伏見、どうしたの?」
突っ立っているのを不審に思ったのか、副長がこちらを見た。
「……この書類、なんですが」
とりあえず、書類の提出を可及的速やかに行い、それからトイレに行こう。
出来るだけ足を開かないよう、小股で副長の前まで歩いた。
何でこんなにスカート短いんだよ……。
「あら……伏見、本当に顔色悪いわよ」
「大丈夫です」
いや無理。大丈夫じゃない。だから早くハンコ押してください。
*****
書類を無事片付け、トイレに向かった。
個室に入り、とりあえず確認する。
赤。である。どうしようか。
今日は予定日ではなかったはず。だから生理用品なども持っていない。まずい。
ずっとここにいるわけにもいかないし、かといってこのまま戻るというわけにもいかない。
以前に一度、ティッシュを折りたたんでナプキン代わりにしておいたらひどい目に遭ったので、それも避けたい。
となれば……頼れるのは特務隊では唯一同じ女である副長だけだ。
しかし、まあ、なんというか。
………………。
私は意を決して、副長のタンマツに、こちらに来てほしい旨を送った。