おまけ
【IF】奪っちゃった
亜依は初めて不安げな顔を見せた。
「なんや、いれて欲しいん?」
「ん…………」
言い淀む。
だが、
……物欲しそうな顔、堪らんなあ……!
「じゃ、ゴム持ってくるさかい、待ったってな」
なんとなく亜依の尻を撫でてから、寝室へ向かった。
*****
「伏見、もっとこう、俺のほうにお尻突き出し」
「う……」
「何今更恥ずかしがっとんねん」
「だって……!」
「ほれ」
亜依の腰をぐっと持ち直し、ゴムをつけた俺のを入り口に宛がう。
「――っ」
亜依が肩を揺らした。
「入れんで」
言うと同時に、腰を押し進めた。
「――あ、あぁっ、いた、いっ、草薙さん、痛いっ」
「堪忍な。でもお前ももうちょい、力抜いたって……!」
食いちぎられそうやわ。
力を抜こうと努力しているのはわかるが全く抜けていない亜依は、苦しそうな声を上げながらも、なんとか全て飲み込んだ。
「はぁー、きっつ……!」
「ぁや、なんか、変……っ」
「すぐ気持ち良おなるで」
「ん、……う、ぃっ、……痛い……」
涙声で聞こえた亜依の声。
「慣れや慣れ。ちょお動かすで」
根元まで入れたものを、少し引き、また入れる。
「いっ、……っぁ、う」
「大丈夫か?」
「さっき、よりは」
言って、亜依は呼吸を整える。
壁についていた手の力が弱まったのを見て、ゆっくり腰を動かし始めた。
「あ、はぁっ、ん、っ」
「伏見、痛ない?」
「ぅあ、はい、だいじょ、うぶ、で――ひあっ」
「みたいやな」
腰の速度を上げ、後ろから抱きしめるように手を回し、亜依の秘部に手を這わす。
「ん、や、くさなぎさ、ぁん」
――こんなん、八田ちゃんが知ったらどう思うやろなあ……。
だが最中に他の男の名前を出すのは野暮というものだ。
余計なことは頭の隅に追いやり、行為に集中する。
亜依の白い背中に張り付く黒髪がなんとも艶かしい。
胸を優しく揉み、陰核をつつけば、中がぎゅっとしまって余裕のない声が浴室に響く。
「っは、伏見、気持ちええか?」
「はぁ、あ、んっ……きもちい、あっ、も――」
「イキそう?」
「んっ、ん、だめ、イく――!」
「あ、ちょ、伏見、締めすぎやて――」
「ぁ――っひ、ぅ……っん……!」
「アカン、出る――ッ」
がくがくと震える亜依の腰を支え、きつく締まるのを感じながら、ゴム越しに射精した。
*****
意識を飛ばしてしまった亜依をシャワーで流し、身体を拭いてから再び寝室へ運んだ。
「おーい伏見ー」
「…………」
呼びかけてみるも、返ってくるのは小さな寝息だけ。
メガネを外した亜依の寝顔は、見ているだけで罪悪感を催すようなあどけなさで、彼女の幼さを再確認した。
「あー……やってもうた……」
自嘲気味に呟いてみるも、不思議と後悔はしていない。亜依が抵抗しなかったのもあるだろう。
……明日、一緒に連れて行ったら、十束はどんな顔するんやろなあ……。
尊は興味なさそうだが、アンナには多分ビー玉をかざされるだろう。……子供の教育に悪いな。
「――ま、ええか」
へーきへーき、なんとかなるって。
十束もたまにはええこと言うな。