A デカルト・シャーマン
「日頃の鬱憤、晴らさせていただく!」
デカルト・シャーマン大尉がイノベイターの力をもってエウロパを撃墜し、外宇宙航行艦ソレスタルビーイング号に帰還した後。
「すみません、シャーマン大尉、いますか?」
地球連邦の制服を着た女性が、マネキン達のいるモニタールームへやって来た。
「貴官は……#name1#少佐か? どうしてここに」
マネキンは驚いたように言った。
「お久しぶりです、マネキン准将、准尉」
#name1#はマネキン、コーラサワーに敬礼をし、先ほどの質問に答える。
「一応、シャーマン大尉の直属の上官ということで一緒に」
アロウズにいた頃と変わらず、おおよそ軍人らしからぬ笑顔を浮かべる#name2#にマネキンはやや苦笑しつつ質問を続けた。
「ところで少佐、シャーマン大尉に用があるのか?」
「ああ、はい」
思い出したとでも言うように両手を胸の前で合わせると、#name2#は出撃前と同じ椅子に座るシャーマンに向き直った。
しかし#name2#はシャーマンに笑顔を向けるだけで、用件を告げない。
対するシャーマンは、やれやれといったように肩を竦めている。
「どうしたんすか? 少佐」
「准尉、敬語を使え」
「あっ、すみません、つい……」
「いえ、お気になさらず」
マネキンがいつもの調子のコーラサワーに呆れていると、不意にシャーマンが口を開いた。
「――後ほど、私から伺いますよ」
「はい! では、私はこれで失礼しますね」
「もういいのか?」
「はい、用は済みましたので。では大尉、待ってますね」
#name2#は嬉しそうに返答し、モニタールームを後にした。
「結局なんだったんすかね? 大佐」
「准将だ。何度言わせる。……大尉、彼女の思考を読んだのか?」
「ええ。もっとも、彼女はわかりやすいので、そんなことをするまでもありませんがね」
シャーマンは金色に光る眼でマネキン達を見た。
「あっ……もしかして"コレ"か?」
マネキンの隣に立つコーラサワーは、得意げな表情を浮かべながら小指を立て、300年以上も前に流行したという"恋人"を表すサインを示した。
「何を言っているんだ、貴様は……」
マネキンは溜息を吐くが、当のシャーマンはフ、と鼻で笑い、肯定も否定もしなかった。