弱虫ペダル

・黒田雪成/男主(幼馴染)


【夢主】
・箱根学園2年生。自転車競技部マネージャー
・黒田とは物心つく前からの幼馴染。泉田とは小学生からの付き合い
・呼び名は「ユキ」「塔一郎」。葦木場のがうつって「ユキちゃん」と呼ぶことも
・音楽一家に育ち自身もピアノを習っている
・ハーフで金髪翠眼。日本育ちで英語は喋れない

・自転車はやっておらず下記の理由で出来なくなったが、他に入りたい部活もなかったためマネージャーになった。ママチャリは乗れる
・小学生の時交通事故で片足を失い、以降は義足をつけている
・185cm/63kg。細身ゆえ泉田や黒田が横にいるとひょろさが目立つ。だがイケメンなのでだいたい許される
・やや天然。だが鈍くはない。葦木場や真波とはなんらかの電波を受信しあっているという噂があったりなかったりする
・葦木場とはクラシック仲間
・本格的な成長期が来る前、見た目があまりにも美少女だったので悪ノリが過ぎて黒田と性的な関係になってしまった
・寮では黒田と同室

メモ
・長らく兜合わせで終わっていたが最近本番を覚えた。基本黒田が上
・ジャンケンに勝ったのでフェラをしてもらったら気持ち良すぎて勢いで顔射してしまい黒田に怒られる
・巨根

・ミドルネームは「アーサー」。SNSでのHNはだいたいこれ
・泉田に誘われてアブアブ言いながら上半身の筋トレをしていたら腹筋が若干割れた
・めちゃくちゃ性格が良い。が、正義感が強かったり頑固だったり若干理屈っぽかったりでチャラめの先輩には割と嫌われるタイプ
・3年になってからは荒北がいないため、不思議チャン達のツッコミを黒田と一緒にがんばろうと意気込んでいるが不思議チャンの一員である自覚はあまりない
・入院時代はメンタル回復後ヒマすぎてオタクに目覚めた。後々始めたSNSの某呟きアプリで坂道と知り合い、アキバで遭遇。それ以降リアルでも仲良くなり坂道にはコスプレを勧められている

・チャリ部の他に漫研という名のBL同好会(非公式)に所属している腐男子。腐ではあるがゲイではなくただ黒田が好きなだけ
・メンバーは夢主の他に女子4人。4人の間では黒田×裕斗がメジャーCPと化している


*****

・顔射する話

……マジか。

「ユキ、どうかした?」

ちょっと照れた表情の裕斗はこちらの様子を伺っている。

おそらく俺の顔は青ざめているだろう。

「もしかして焦らしてる?」

こんなヘソにつかんばかりに反りたっているイチモツを前にして、しかもコレを口に入れようとしているのだ。

さっきから返事をしない俺にしびれを切らしたのか、裕斗はそのデカいモノの先端で俺の頬をつついた。

「うわっ、おまっ、やめ、やめろッ!」

「だって遅いから。怖気づいた?」

「お前……なんか俺にだけ性格悪くねえか?」



意を決して、ぬめりだした先端に口をつけた。

裕斗の腰がびくっと震え、小さく声が漏れる。

「ん……っ、うぅ……」

入るとこまでは入れた――といっても半分くらいだが、裕斗は気持ちよさそうに腰をくねらせていた。

「っ、これ、やばい……っ」

俺も苦しさでヤバい。



「あ、ユキ、キスしよキス」

「お前……ムードとかないのかよ」

いたずらを思いついた子供みたいな笑顔で言われたら呆れもするだろう。

「……愛してるよ、雪成」

突然クソ真面目な表情になったかと思えばそんなセリフを吐いて顔を近づけてくる裕斗。ついでに両肩までがっしり掴まれている。

「いいいいきなりやめろ!」

裕斗の顔面に掌を当て、動きを止めた。

「ユキがムード作れって言うからやったのに……」

「いや、急にやるなよ」

別に女でも恋人でもあるまいし、ムードなんてもんは求めちゃいなかったが。

とはいえコイツの顔で愛してるだのなんだと言われて何とも思わない人間は多分存在しない。


*****

・坂道と知り合う
※5〜6月くらいのイメージ

今日は部活も休みの日曜日。僕はいつも通りアキバに行こうかななんて考えていた時だった。

時間を確認しようとスマホを見ると、SNSの通知が届いていた。僕宛てのコメントが来ている。

SNSなんてほとんど見る専用で、あまり他の人とは会話をしたことがない。

……少し前に1人だけ話しかけてくれて、仲良くなった人がいるけど、その人かな……。

恐る恐るアプリを開くと、予想通りの人――『アーサー』さんからのコメントだった。

アーサーさんが一体どんな人なのかはわからないけれど、名前と文章の感じからして多分男の人だと思う。

また恐る恐るコメントを見ると、

『さっきアキバでガチャ回したらことりのレアが2体出たんですけど、よかったら1体いりませんか?』

なんて、嬉しい内容が書かれていた。しかも写真付き――僕が前から欲しがっていた、ラブ☆ヒメのキーホルダーだ。

僕は急いで返信する文章を打ち込んだ。

『いいんですか!? ぜひお願いします! レアなのにかぶるなんてすごいですね!』

返事はすぐに返ってきて、アーサーさんはまだアキバにいるからということで、今から合流することになった。

*****

自転車をいつもの所に停めて、アーサーさんのところへ急ぐ。

某有名アニメ専門店の近くにいると教えてもらったけど、慌てていたから服装なんかを聞くのを忘れてしまっていたことに気付いた。

スマホを開くとすでに彼からのコメントが来ていて特徴はわかった。けど……、

『グレーのシャツに黒いズボンであんまり特徴ないけど、金髪だから多分すぐわかると思います』

き、金髪……!?

SNSでの印象から、アーサーさんはてっきり真面目で大人しそうな人なんだと思ってたけど、金髪!?

いや、鳴子くんも髪は派手な赤だけど、別にチャラチャラしているような……僕の苦手なタイプの人じゃない。多分アーサーさんも金髪なだけで中身はいい人に違いない。レア物を譲ってくれるくらいなのだから!

僕は少し怯えつつ、勝手にそんな風に思ってしまったことに罪悪感を覚える。

ここでおどおどしていてもしょうがない。僕も自分の特徴――といってもあんまりないけど――を伝えて、待ち合わせ場所に向かうことにした。

駐輪場から少し歩けば、もうすぐに着く。

緊張しつつ、金髪の人を探した。

アニメ専門店の周辺を少し見回せば、彼はすぐに見つかった。

ガードレールに軽く腰かけて、アニメ専門店のビニール袋を片手に持って、スマホを見ている金髪の男の人。服装もさっき教えてもらった通りだった。

しかし、あそこだけ作画が違う。

なんて、アニメだったらそんな感想を言っていただろうというくらいに、なんというか、彼――アーサーさんは目立っていた。

……も、ものすごくかっこいい人だ……!!

もう死ぬほど完成度の高いコスプレ写真を見ているような感覚に陥った。

僕があまりの衝撃にポカンと立ち尽くしていると、いつのまにか彼がこちらに向かって歩いて来ていた。

ど、どうしよう、とりあえず挨拶――

「もしかして、『おのだ』さん、ですか?」

「あっ……ハ、ハイ! 小野田坂道です!」

「! よかった」

ほっとしたような表情を浮かべたアーサーさん。背が高い。足が長い。目が緑色だ……!

「ええと、ここじゃなんだから、とりあえずそこのミ〇ドでも行きませんか?」

「あっ、ハイ! 喜んで!」

今度は優しそうな笑顔になったアーサーさんについていき、店に入った。

注文を終えて席に着くと、アーサーさんは持っていたビニール袋からガシャポンの玉を出した。

「はい、これで合ってますよね」

「ありがとうございます! あっ、お金払いますね」

「あー、その、お金はいいですよ」

「えっ、でも――」

「俺、前からおのださんと話してみたかったんですけど、急に絡んだりして不審者だと思われたらどうしようかなと思ってて……だから、そのくらいは」

「ぼ、僕と……ですか?」

話してみたいなんて一度も言われたことがなかったから、なんだか現実味がない話だった。

自分が話しているのに、他人事のように聞こえていた。

「アニメの趣味とか似てて、同年代っぽかったんで」

「そっ、そうだったんですか……! えと、すみません、なんだか実感がなくてですね、僕の方こそまさか声をかけて貰えるとは思ってなかったので……。って、ああっ、その、とっても嬉しいんですけど!!」

僕が慌てて早口で言うと、アーサーさんは嬉しそうに笑ってくれた。

「あ、そういえば、名前言ってなかったですね。俺、登坂裕斗って言います。小野田坂道くん、でしたよね?」

「な、何で僕の名前を……」

「最初に言ってましたよ」

「ええっ!? そうでしたか、す、すみません……って、登坂さん、日本の方なんですか? 髪とか目とかすごい自然だったので、てっきり外国の方かと……」

「あ、はい。俺、ハーフで……『アーサー』はミドルネームなんですよ」

ミドルネーム……!

「かっこいいですね!」

「え、あ、ありがとう……。なんか照れるな」

そう言って頬をかいた登坂さんは"かっこいい"以外のなにものでもなかった。

「あ、そういえば、僕高校1年生なので……登坂さん年上ですよね? 敬語は使わなくても大丈夫ですよ!」

「えっ、小野田くん1コ下だったの」

「……登坂さん、大学生かと思ってました」




「千葉からチャリで来てるの!? すごいね……」

「ハイ! 小学生の頃からなんですけど……あっ、高校生になってからは、その、自転車競技部にも入ってて……と言ってもまだ全然走れないんですけど」

「……小野田くん」

「は、はい?」

「俺も自転車競技部……のマネージャーなんだけど」

「ええっ!?」



「登坂さんは、ロードレーサーには乗らないんですか?」

「あー、うん。俺自転車乗れないんだ」

「そ、そうだったんですか……」

「あとピアノやってるから、手とか怪我したら困るしね。ロードは幼馴染がやってたから」

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