@ タケミチ

【武道視点】

ナオトと握手をして戻ってきた現代みらい

気がつくと誰かの家のリビングにいた。

「どこだここ……ヒナん家、じゃない……」

「タケミっち、1人で何ぶつぶつ言ってんすかぁ?」

俺が戸惑っていると、女の人に急に顔を覗き込まれた。どっかで見た顔、っていうか……、

「#name2#ちゃん!?」

「えっ……マジでどうしたんすか」

戸惑った表情の#name2#ちゃん……を大人っぽくした感じの美女に見つめられる。

#name2#ちゃんは長い髪をゆるく結んで、私服の上にエプロンをつけていた。

「な、なんか、奥さんって感じだね」

「なんすかそれ、褒めても茶しか出せませんよ」

少し困ったように微笑んだ#name2#ちゃんを見て、大人になったんだなぁなんて思ってしまった。

ーーん? 奥さん?

「えっと、#name2#ちゃん? ここって一体誰の家ーー」

「ママ、お菓子」

俺が#name2#ちゃんに今の状況を聞こうとすると同時に子供が部屋に入ってきた。

「はいはい、ママはお菓子じゃねぇっすよ〜」

「え?」

金髪を揺らして歩いてくる小柄な男の子は、マイキー君に似ていた。

その子に"ママ"と呼ばれた#name2#ちゃん。つまりこれって……!

「マイキー君にそっくり! そういえば、マイキー君はどこにいるの?」

「はぁ? いるわけねぇっつーか、もう何年も会ってませんよ」

「え……?」

「誰このオッサン。ママの愛人? シュミ悪」

「オッサンじゃなくてタケミっち」

「! オマエがあの"タケミっち"!?」

不審者を見る目で俺を見ていたマイキー君ジュニア(仮)は、そのあだ名を聞いた瞬間目を輝かせながら駆け寄ってきた。

「千冬の相棒自慢聞いて、ずっと会いたがってたんすよ。まあ、良ければ構ってやってください」

「タケミっち、オレ、松野シン! 4さい! ふふん、オマエ気にいった、今日からオレのシャテイな!」

「うわあ、すごくマイキー君だ……って、"松野"?」

いかにもいたずらっ子といった感じのシン君だったが、彼が名乗った苗字は"佐野"じゃなかった。

松野って誰だ? 俺の知り合いにそんなヤツいたっけ……ドラケン君、三ツ谷君、パーちん君、ペーやん君、場地君、千冬。

千冬。

「……松野千冬!?!?」

「声デケーよタケミっち! うるさい!」

「ご、ごめんシン君」

「てか、父ちゃんがどうかした?」

「え? 父、ちゃん……?」

「あ? 父ちゃんだろ、千冬って。ママー、タケミっち変なんだけど!」

「タケミっちは基本変だからほっときな」

「はーい。だってさ、タミケっち変なの!」

「#name2#ちゃん!? 俺のことそんな風に思ってたの!?」

椅子に座る俺の上によじ登ってケラケラと無邪気に笑うシン君。

「ちょっと待って、#name2#ちゃんってマイキー君と結婚してるんじゃーー」

「してませんよ」

「じ、じゃあシン君は!? どう見てもマイキー君の……ッ」

そこまで言ってからやっと、膝の上にいるシン君にこんな話を聞かせていいのかという問題に思い至った。

「"マイキー"がオレの本物の父ちゃんなの、知ってるよ。会ったことねーけど」

「え……」

「でもオレの父ちゃんは千冬だから」

「タケミっち、記憶喪失にでもなったんすかぁ?」

#name2#ちゃんもシン君も機嫌を悪くした様子はないけど、ただただ混乱している俺を見て怪訝な顔をしていた。

「はぁ、確かにシンはマイキーと私の子ですよ。でもマイキーは突然行方をくらました。どこで何してんのかなんてドラケンすら知らねぇってんだから、私にわかるわけないんすよ」

「そんな……」

「別に、捨てられたわけじゃないのはわかってますよ。マイキーは女ヤリ捨てするようなヤツじゃないんで。でも1人じゃ無理だった。イオリも死んで腐ってたとこを助けてくれたのが千冬ーーなんて、気が多すぎますかね?」

そう自嘲気味に話す#name2#ちゃんだが、話のところどころに俺の知らない情報が混ざっている。

「ま、待ってイオリちゃんが死んだって、何で」

「決まってんでしょ、稀咲ですよ」

「!!」

やっぱり、稀咲だ……!

「イオリは……私を庇って死んだ。そもそも、稀咲が殺したかったのはイオリじゃなくて私だったんすよ」

「そんな、何で#name2#ちゃんが」

「"マイキーの女"だから、そんなくだらねぇ理由で昔はよく絡まれたもんで、慣れちまってたんですよね。油断してたんだ、私は……」

そう話す#name2#ちゃんの顔色は青白くなっていく。状況が飲み込めてない俺のために、嫌なことを思い出させちゃったんだ……!

「#name2#ちゃん、ごめん!」

「……別に。タケミっちはとっくに東卍離れてんだし、知らねぇのも無理ないでしょ」

「え?」

「ごめんタケミっち、ちょっとトイレ行ってくる。シンのこと見ててもらえます?」

「う、うん。って寝てるし……」

大人の長話に飽きたのか、シン君はいつの間にか俺の膝の上で寝てしまっていた。

「……ママもう行った?」

「え? 起きてたの!?」

「しーっ! バレるじゃん!」

「うごぉっ!?」

腹を殴られた。子供のクセにパンチが重すぎる。さすがマイキー君の子だ……。

「っていうかタケミっちさぁ、ニンプにフタンかけんなよ!」

「は? 妊婦? 誰が?」

「ママに決まってんだろ! オレ、もうすぐ兄貴になるんだぜ」

ドヤ顔を決めたシン君だったが、俺の頭は情報の多さでパンク寸前だった。

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