@ 千冬

【千冬視点】

場地さんと学校の帰り道を歩いていると、信号待ちをしている女子に絡んでいる不良が目に入った。

あんなのがいるから不良がダセェって言われるんだ、そう思いながら場地さんとともにそいつらに近づく。

女子の方は嫌悪感丸出しっていうかもはや暴言吐いててだいぶ気が強いみたいだが、あれじゃクズどもを煽るだけだし、案の定キレさせていた。

「あの〜、その子私の連れなんで」

小走りで俺たちを追い抜いて行ったポニーテールの女子が不良にそう言った。

「あぁ? 誰だてめェ……まあ、お前が代わりになんなら許してやってもいーけど?」

絡まれてた子よりも小柄なその子は、怖がりもせず近づく。

「もう、#name2#ちゃん遅い! 絡まれたじゃない!」

「あーはいはい、小言は後で聞くんで、いったん離れますよぉ」

終始気だるげに話すポニーテールの女子は絡まれていた子の腕を掴んで歩き出す。不良ガン無視だった。

「おい無視してんじゃーー」

背を向けた2人の後ろから不良が襲い掛かろうとしたが、思いもよらない展開で事態は収まった。

ポニーテールの女子が不良の顔面に裏拳をブチかましていたのだ。

顔面にモロに食らった不良は一撃で崩れ落ちる。

「ありがと#name2#ちゃん。でもあんなの#name2#ちゃんが殴るまでもないじゃない。早く手を洗いに行きましょ?」

「イオリもそろそろ穏便に済ます方法を身につけてくださいよ」

そんな会話をしながら俺たちの横を通り過ぎようとする2人。

「おい、お前」

通り過ぎざまに場地さんがポニーテール女子の肩を掴んで引き止めた。何やってんだこの人!?

「まだ何か用で……って、場地さん?」

「おう、久しぶりだな、#name2#」

「あら、#name2#ちゃんお友達?」

「いや、友達の友達……?」

「んだよそれ、友達ダチだろ」

場地さんと仲良さげに話すその子が不意にオレの方を向く。

「あー、初めまして、漣#name2#っていいます。場地さんの後輩ですか?」

「あ、オ、オレは松野千冬。場地さんとは同級生っつーか、後輩っつーか」

「オレ留年ダブってっからな」

「中学で留年って何なんすか……相変わらず無茶苦茶っすね」

おかしそうに笑った#name2#ちゃん。笑顔がかわいかった。オレ初っ端からちょっとどもっちまったんだけど……。

「あなた今#name2#ちゃんちょっと良いかもって思ったでしょ許さないわよ#name2#ちゃんに惚れるならこの近衛伊織の許可を得なさい」

「あ? 何でオマエの許可なんかーーってちげぇよ!」

あの不良、絡む相手間違えすぎだろ。色んな意味で。

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