4
帰り道。
微妙な距離を空けて、並んで歩く。
「…………」
「…………」
会話はない。
……なにか切り出さねーと……!
「あー、その」
「っ、な、なに?」
「悪かったな、昼休み。恥ずかしかったろ? つか俺も恥ずかしいし……」
「まあ、うん……」
「ごめん!」
「あ……でも、その、嬉しかった、から」
「っ!」
やべえ顔見れねぇ……!
「明坂……そっち寄っていい?」
おい! おい俺! 何言ってんだ俺!
「い、いいよ」
「おう……じゃあ、寄るぞ」
変な宣言をして、明坂に近づいた。
「――あの、花村くん」
「ん?」
少し歩いたら大分落ち着いてきたようだ。
「好き」
「ブッフォウッ」
やべえ驚きで変な声出た。
隣の明坂もポカンとしている。
「い、いきなりどうしたんだよ」
「いや、私、さっき言わなかったから」
「ああ……」
確かに言ってないが。
「……まーその、なんつーの?」
「?」
「これから、よろしく。みたいな?」
「疑問系?」
ふふっ、と、明坂は俺の好きな微笑を浮かべる。
「よろしくね、陽介くん?」
「っ! ――おうよ!」
不意打ちいただきました。