郭嘉

診断メーカーより

 また同じ夢を見た。屋敷から見える綺麗な景色を奉孝様と笑いながら見る夢。優しく微笑むそのお顔はとても健康的で、奉孝様が元気になってよかったと私もつられて笑う。奉孝様の手がそっと頬に触れ、私はそっと目を閉じる。指先が少し冷たいけど、私の火照った頬には丁度よい。奉孝様が私の名前を呼ぶ声が聞こえる。目を開けて目の前にいる奉孝様を見上げると、口をつむいだまま微笑んでいる。頭に響く奉孝様の声は、一体誰の声なのだろう。

 もう一度名前を呼ばれて、はっと目を覚ました。奉孝様の冷たい指が私の頬を撫でる。寝台の縁で寝てしまっていたようだった。

「貴方があまりにも幸せそうに笑っているから、寂しくなって起こしてしまったよ」
「申し訳ございませんでした。でも、夢の中の奉孝様と共に笑っていましたよ」
「それは嬉しいな。けど、本物の私にももっと笑ってほしい。貴方の笑顔を見せてくれないかな」

 そう言う奉孝様の顔色は真っ白で、今にも消えてしまいそうだ。頬に。触れている手を取り指を絡めると、そっと握り返された。先程まで元気そうな奉孝様を見ていただけに、今のお姿がとても痛ましい。でも、奉孝様はずっと微笑んでいる。苦しそうな顔をせず、私の前ではずっと笑っている。そんな貴方がただ愛しかった。



20210824

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