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 ライが、抜けた。抜けたというか逃げたというか。前と一緒で取引先にFBIが居てバレたらしい。組織の人間を一般人だと思って話しかけたそうよFBIにはとんだお人好しがいるもんだわってベルモットが言ってたから間違いない。そのあと立て続けに明美が死んだ。明美も前回同様ジンに殺されたという。スコッチから明美に至るまでの時系列と出来事が全部一緒でもしかして俺だけじゃなくて世界全体が繰り返してて、俺だけがその自覚があるんじゃないかと思えてくる。

 回避をすれば、何か変わるのだろうか。

 まぁもう死んでる人間も居れば組織に居ない人間もいるのでどうしようもないか

 ベルモットは失踪したシェリーを熱心に探しているようだった。あと『エンジェル』と『シルバーブレット』と言っているのをよく聞く。銀の鉛玉の魔除がなんになるのかと思っていたらどうやらそれは人らしい

 この前ジンとウォッカが試薬を使って殺した人間の死体が上がってないと聞いて調べているとどうやら彼は有名な高校生だったようで行方不明になっている。そしてその母親は女優をしていて、ベルモットの表の顔の知り合いらしい。

「知り合い?」

「あら、有希子じゃない。シャロンの旧友よ。」

 写真を見せるがベルモットは特にリアクションを見せなかった。彼の息子のことも全く触れない。教えてくれる気はないってことか。

 例の高校生を調べていくと出てくるのが突然現れた江戸川コナンという少年。シェリーが研究していたアポトキシンは幼児化する副作用の出現が確認されている。なるほど、そういうことか。でも彼とベルモットになんの関係性があるんだろうか。おそらく聞いても素直には教えてくれないだろう。

 次の任務は潜入というかベルモットとバーボンの雑用兼運転係だった。一応俺もスーツに着替えてそれっぽく見えるようにする。金持ちの自慢会に出席してその名簿とお金を頂こうというらしい。

「おや、今日はあなたも一緒でしたか。相変わらず彼女は貴方を連れ回すようが好きなようだ」

待機部屋でベルモットを待っていると先にやってきたのは浅黒の彼だった。

「...バーボン」

「財閥パーティ潜入して情報を得るまでが仕事でしたよね。主役はどこです?」

「...」

「僕相手じゃお気に召しませんか」

 捲し立てるように嫌味っぽく喋り続ける。もともと好かれてはいなかったから気にはならないがスコッチが死んでからさらに“ここ”に居るのに躍起になっているように見える。彼と仲が良かったのだろうか。そういえば前の俺で一緒にいるのを見た気がする。ショック、だったんだろうな。表に出さないだけで。...知っててみすみす殺したと知ったらコイツは俺を恨むだろうか。

 そんなことを露もしらないバーボンの顔を見る。そういえば怪訝そうに眉を潜める彼の心からの笑顔を見たことないな

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