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急いで校長室に戻るとデカい机に見合わない小さなネズミを見つけて実体化する。


「ネズミ!USJにヴィランだ。敵は大人数個性不明!相澤及び13号が対応中だが生徒も散り散りで飛ばされた!警報機と電話線が切られてる。目的はオールマイト!あいてるヒーローを応援に寄越せ!」


 書類仕事から顔を上げて戸惑う表情のネズミに状況を説明する。いや、俺も詳しくは知らないけど緊急事態ってことと敵襲だってことは確実に伝えて急いでUSJに戻る。やっと校舎に着いたのにとんぼ返りが遠い。

 USJに戻って言われた通り飛ばされた生徒をみて回る。
「轟、は大丈夫そうだな」

 一面が轟の能力であろう氷に覆われていてヴィランはそれに張り付けられてる。便利ねその能力まじで。寒さに身震いしながら実体化して声をかける。凍傷で死んじゃう前に溶かしてあげてね。
「ああ。他のところは?」

「今から確認する。お前と一緒に飛ばされたのは?」

「いや、俺一人だ」

「じゃあ悪いけどどっかの増援お願いできる?俺はとりあえず相澤さんに報告してくるから」

「わかった」

「頼んだ!」

 急げ急げ。なんだあのでかい気配は。さっきまでなかっただろうが!校舎に戻っている間に出てきたのか。嫌な感じがする。生徒全員を回りたかったのに無事な生徒に集まるように言っていたらあまりの気配に急いでそっちに向かう

 足に力を込めて加速しながら跳ぶ。久々にガチなので体力がしんどい。元の広場に戻ると視界に入り込んできたのは手が生えた気色の悪いガキと髪が下がっている相澤さん。ガキに握られた肘が崩れるように服と皮膚が崩れる。それを見た瞬間目の前がカッとなる。一度二人を通り過ぎてクソガキの背後に回る

「何してんの」

 痩せこけたガキの体を貫いて手先だけを実体化して相澤さんの肘を握る手を掴んで嫌な音がするまで握る。貫かれた体を見てぎゅるんと首ごとこっちを向く。ホラー演出かよ。

「よう、こないだぶりか?」

「...名前!」

「あ"ー?何お前。どうなってんのこれ」

 反対の手で腕を掴む俺を触ろうとしてくるので消える。その間に相澤さんが転がるように抜け出して間合いを開ける。がその間に違う奴らが飛び込んでくるのを舌打ちをしながらいなしているのを視界に入れて俺も少し下がる。悪意垂れ流しで、コイツはまじで人を殺すのを厭わないだろう。

「っあ"ー、お前みたいな気色の悪いガキも殺さずってのは面倒くせえな?」

 体重を低く落として棒立ちのガキを見据えながら言う。ただでさえ苛ついてるところに今の保護者がボロボロなんだぞ、いい加減にしろよ。ガキのおいたにしてはやり過ぎだ。動くか?と思ったがガキは立ったまま何かを言っている

「はぁ?なにそれ。どっからきたの?なんで俺の体貫いてたの?颯爽と救ってくなんてかっこいいなぁ。さすが雄英。正義感あるやつばっかりで虫唾が走る」

 ブツブツと呪詛のように言葉を一頻り吐いた後目を見開いてこっちを見る。ニタァと気持ち悪い笑みを受けべ「でも本命は俺じゃない」殺気が無さすぎて油断すると存在を見失っていたデカい気配が動く。っ!狙いは俺じゃないな、

「相澤さん後ろ!」

 俺の声と後ろの気配にバッと顔を上げて飛びのこうとしたが向こうの方が早かった。黒いデカい図体の割に早い動きでのしかかり、先ほど崩された肘の方の手を掴む。なんだあれは人間じゃないだろ。


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