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実技入試があるって初めて知ったんだけど。しかも筆記試験終わって後初めて聞いたんだけど。
試験監督が「じゃあ明後日また集合してください」って言ってて近くにいたほわっとした女の子に聞いたら「え、実技試験やよ?」って言われた。
「知ってたーって風に返事したけど聞いてないですよ!相澤さん!」
晩ご飯ついでに詰め寄ると
「え?そうだっけ」
悪びれもなく!そうおっしゃいました!ぶっ飛ばすぞ!俺の首もぶっ飛ぶだろうからやんねぇけどな!畜生!
とりあえずムカついたので洗面台の歯磨き粉の位置と洗顔料の位置を変えて部屋に戻ってきた。国と学校からのお金で買ったジャージを鞄に詰め込む。学校からのお金は奨学金ということになってるのでまじで合格しないとネズミに借金の取立てに来られるのだ。
受験勉強や監視目的ではんば強制的に四六時中くっついて移動する相澤さんは常にローテンションで出会い頭のアレは特別機嫌が悪かったわけではないらしい。警戒はしてたっぽいけど。お互いの距離感に慣れて部屋を行き来することも増えた。
つか実技てなにすんだろ
試験当日、無茶苦茶広い講義室みたいなのに集められてプレゼント・マイクの説明を聞く。各試験会場に分かれてギミックをつぶせばいいらしい。なるほど。つか初めてきた時も思ったけどむっちゃ広いよねこの学校ってガッチガチに緊張してるレオぽい黒もじゃの子に言ったら凄い勢いで頷かれたんだけど緊張しすぎじゃない?大丈夫?
街一個分くらある試験会場に着くと黒もじゃとメガネがなんか言ってるのを尻目にスピーカーの上に乗る。うわ、遠くの方でなんか暴れてるわ。あの、警察が使ってたロボみたいな奴が全力で街を壊してるがあれはポイントになんないんだっけ
仮想敵が居そうな場所を集中して見てたらこともなげに「スタート」が聞こえたのでとりあえず1番高いビルに着地する。
さぁてどうすっかね。
潰すのには向いてないので部品でも引っこ抜いてくか。コアというか電源くらいあるだろう。中から壊したのもカウントしてくれんのかね
加重で壊すのもありだが、人がロボを潰した下にいない条件はこの密集した街では難しそうだ
手を突っ込んでは引っこ抜きを繰り返していると黒もじゃが立ち竦んでるのが見える。
「おい、危ないぞ」
近くにいたロボの頭に乗って加重を足す3トンくらいで沈ませて手をひらひら動かす。
「あ、ああ、ありがとう!」
「ん。とりあえずお前さん自分の点数大丈夫?」
上から見てた限り彼はおろおろしていて何回か通り過ぎても同じ場所に立っていた。周りではボカスカとロボが潰されていく。焦った黒もじゃが周りを見渡すとほとんど残ってない。残り時間を知らせる時計は設置されていないがほとんどロボが残ってないのをみると終盤だろう。俺の点数の合格ライン以外を移行するとか出来んでしょ、モニターあるっぽいし。街の中でちらほら見かけた監視カメラは生徒の安全用だろうか
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