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「ドフィ、ドフィ、置いて行かないで」



暗い部屋に太郎を置いて2日。城に戻った時に見た太郎は初めて会った頃のように俺だけが瞳に写っていた。



「フッフッフ、寂しかったか太郎。大丈夫だ、俺がいる。」



気づけばまた暗い部屋だった。何を失敗したのか、ドフィは教えてくれない。泣いて縋れば可愛がってくれたが、ずっと居てくれるわけではなかった。



彼が居なくなると暗い部屋に閉じ込められる。嫌だやめてとなくけれど誰もやめてくれなかった。みんな、可哀想なものを見るように俯いて、あの部屋に連れて行く。


ある日、明るいところにいた時に仲良くなった一人が気晴らしにとまた外に連れて行ってくれた。とても嬉しくて楽しくて雑用でもらった小遣いでよく顔を合わせる人に少しずつ渡せるお菓子を買って、喜んでくれるだろうか、受け取ってもらえるだろうかとわくわくしながら城に戻るとたくさん怒られてあの部屋に引きづられるように戻された。


たくさん集まったファミリーの人たちの足元に落ちたお菓子が、色んな人に蹴飛ばされてどこに行ったのかわからくなったのを見て、泣くことをやめた


ドフィは帰ってきてから、俺から離れなかったけれどなんだかずっと不機嫌そうだったし、一緒に街へ出た彼が食事を運んできてくれることはなかった。



「俺が居れば満足だろうが」



そう言って抱きしめてくれる彼が、またすぐに何処かに出かけて帰ってこないことを俺は知っている。



「太郎」と優しく呼んでくれても一緒には連れてってくれない。



ドフィが出かけて、また闇が始まる。聞こえないはずの怒鳴り声と暴力が怖い。泣いても叫んでも暗闇は全部を隠して閉じ込める。



ずっと暗いところにいるからかだんだん物がよく見えなくて、部屋の色んなものにぶつかっては転ける。あっちもこっちも痛かった。



美味しいと思っていた料理は闇の中だと彩もなくて味気なくて、人の声も聞こえず坦々と与えられるものを食べるだけで、作業のようなそれをするのが億劫になった



自分でぶつかって転けただけなのに、誰かの怒鳴り声が聞こえる



「ごめんなさい。ごめんなさい。」



全部全部俺が失敗したから暗い部屋にいる。ドアを開けて「好きにしろ」と言ってくれる人はいない。
「ドフィ、ドフィ」



彼が来てくれたのはいつだっけ。助けてくれたのは彼だった。この前までそばに居た。あれ、この前だったっけ。暗い部屋にずっといる。いつも気がつけば暗い部屋だ。小さい頃からずっと。



ご飯を食べる、眩しくて目が痛くて目隠しをして暗い部屋の風呂にはいる。少しうたた寝をして、おいしくないご飯を食べる。洗われて、


ガチャリ



ドアの開く音がする。誰かが入ってくる。また食事だろうか。もう欲しくない。



ドフィはまだですか



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