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太郎があの部屋を出ていつのまにか街に行っていたその日に太郎を連れ出した給仕を消した。何か言っていた様だったが酷く腹が立って全く聞き取れなかった。
あれから七武海の会議やら下部の組織の話や奴隷会社などあちこちを回ってようやく城に戻ったのは3週間後だった。
急いで太郎のいる部屋に入る。いつもだったら直ぐに泣きながら飛びついてくるのにぼんやりと空を見つけたまま、こちらに見向きもしない。
流石に放っておきすぎたか。
「ご機嫌斜めじゃねぇか、なぁ太郎」
話しかけながら近づくと、見ない間に痩せたようだった。かならず世話をするように言いつけて出たのに、コックと給仕は殺そう。太郎の頭をぐちゃぐちゃと撫でる。
「ご飯ですか。ごめんなさい。お腹すいていないので下げてください。ごめんなさい」
一瞬耳を疑った。
「太郎?俺様が帰ったぞ。わからねぇのか」
椅子に座る小さな太郎の視線に合わせるようしゃがみこんで話しかけるが、目があわない。
「ドフィ?」
「フッフッフ、なんだわかってるじゃねえか。遊んでるのか。長いこと帰って来なかったから拗ねてんのか」
「ドフィはどこ」
そう言って大粒の涙をボロボロと零す太郎の瞳にドフラミンゴは写っていなかった。
逃げるように太郎の部屋を飛び出して、自分がいない間の様子を聞く。食事を取る量が減ったこと、暗いところにずっと居たせいで目がほとんど見えなくなっていること、あの日太郎が落としたと思われるものがあること。
その落とし物を持って来させるとグシャグチャに潰れた包紙がいくつか入っておりタグの様なものが付いていた。
幹部の名前や知らない名前、ドフィと拙い字で書かれた1番大きな包紙
あの日楽しそうに手を振って帰ってきた太郎を思い出す。
太郎は「怒られるから」と言って今度はあの部屋から出ようとしなかった。胸にずしりと重たいものが乗っかった気分だった。
徐々に外に出る回数を増やし、太郎といる時間を増やしたが太郎がこちらを向いて「ドフィ」と微笑みかけてくりことはなかった。
太郎は空を見つめる時間は減り、ずいぶん明るくなった。目はぼんやりと見える様になったようで、人がいる居ないやものの色はわかるようだった。
中庭でテーブルを用意し、太郎とお茶を飲む時間など以前には考えられなかった。その場でも太郎はドフラミンゴの名を口にした。ドフィが来てくれてから人生がかわった。結局いなくなってしまったけど感謝している。彼はこんな人だったと楽しそうに語る
「そのドフラミンゴってヤツを恨んでねぇのか。捨てられたんだろう?」
何気なく聞いたつもりだったのに指先に力が入る。自分で聞いたのに答えて欲しくのなかった。緊張しているのか、この俺が。こんなガキに。
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