Half-Blood Prince-13
「変身ブラシ、ボガード爆弾、大混乱メーカー、…超強力爆竹?」
「これがチラシに… これが価格表だろ」
笑みを浮かべて、愛でるように一つ一つに目を落とす名前の横顔を、フレッドは眺める。無邪気に次々持たせるジョージが"それと…"と忙しく振り返って、手の平を出すよう名前にジェスチャーを見せる。
素直に広げた名前の手のひらに乗せられた、Wの装飾。
「ネクタイピン?」
「そ」
「店で付けてるんだよ。ほら」
嬉しそうに答えるジョージに、慣れた動作でスッと自分のネクタイに付けて少し屈んで見せるフレッド。Wの先の小さな赤いライトに、名前の表情が明るくなる。よく眺めるように、屈んでくれたフレッドのネクタイに手を添えながら、名前は二人の夢が叶ったのを心から嬉しく思う、そんな表情を見せる。
表情を見つめるフレッドと、名前の横顔をしばらく見て、ジョージが"さぁ名前…"と切り出した。
「実はプレゼントがあるんだ。きっと気に入る」
「待てよ、ジョージ…。 いいか名前。選んだのは俺」
「二つに絞ったのは俺だ」
「でも発案は俺だよ」
「分かった、二人からね、…ありがとう」
遮るフレッドを振り返り耳を寄越していたが、なだめるように制止して名前は笑った。一呼吸おいて、フレッドの表情に気を配りながら、ジョージが続けた。
「…ぜひ明日渡したいんだ」
「… あした?」
嬉しいながらも、渡す流れじゃなかったのかと、きょとんと聞き返す名前の後ろで、しかめて同じくジョージを見るフレッド。そうなんだよ、やれやれ…というようなわざとらしい顔のジョージに少し笑ってしまいながら、名前はさらに聞く。
「今日くれないの?」
「明るいときに開けてほしいんだよ。…あ、日の光で明るいときに」
「ふふ、そう」
取って付けたような、なんとも誤魔化す素振りのジョージに、何事か見当もつかないながら騙されてあげようと、名前も"じゃあ仕方ないね…"と顔で言って、ジョージにのって返す。フレッドだけが何から問いただそうか迷っていると、一階から名前を呼ぶ、モリーの声が届いた。
「母さん、見違えて元気が出たな」
「それは私も同じ。… これも貰っていい?」
パッと上げた名前の手には先ほど見せたW・W・Wのチラシ。そんな世に配りまくっているチラシよりも名前になら商品だってあげたい二人は、豆鉄砲をくらった。承諾すれば満足そうに両手に持ち直していったん眺め、部屋を出た。
見届けて、フレッドは名前のプレゼントについて、"で、今日渡さないってどういうことだ?"と、視線を相棒へ寄越した。
…――
"今日じゃないとダメなの?…"
"ハリーも居る。 …ダンブルドアも構わないと"
「! 名前」
一階へ降りた名前を、近くのソファへ掛けるようトンクスが誘導する。片手間のような笑み、アーサーとモリーは深刻な表情だった。ドラコの動向の話が終わったらしいハリーは、どこか不服そうな表情だった。掛けると、ルーピンが真っすぐに体を向け、口を開く。
「さぁ名前。…自分の魔法については、どこまで?」
「……屋敷しもべ妖精の、魔法と、…」
「そりゃいいや、名前、屋敷しもべだったの?」
「「…」」
想像通りというような言葉を挟むロン。すぐに場違いだと分かりおどけてた表情を凍らせるが、"こっちへ…"とジニーが奥へ連れやった。
しばらく皆でそれを眺めて、ルーピンが仕切り直す。