Deathly Hallows(Part 1)-14



「"肉の記憶"で、あなたが触れたらスニッチが開くかと思った。ダンブルドアが何か隠したかと…」
「……」

魔法省のマグル生まれ魔法使いの摘発に拍車がかかる。スカビオールが誇らしくお辞儀をし大臣とアンブリッジへ攫った魔法使いを差し出す頃、ハリー達はまだ旧本部だった。本物のロケットの他の当てになる手がかりといえば、ダンブルドアの遺品たちだけであったのに、スニッチはただハリーの目線に飛んで漂うだけだった。ハリーが優しく手に取れば、大人しく翼を仕舞う。

―ドタンッ ―   ― がたがた…―
「!」

三人は耳に届いた、本部入り口のほうから聞こえる物音に顔を見合わせ、忙しくそちらを目指す。ずるずる…とやってきたのは、首から上にはクリーチャーが、片足にはドビーがまとわりついた、マンダンガスだった。"放せよう…!"と抗議する声はくぐもっていて、クリーチャーの拘束の強さがうかがえる。

「ハリー・ポッター!お久しぶりです」
「…!」

まさかドビーに会えるとは思わなかったハリーも、達成感の安堵も携えて彼と同じく笑顔を返す。

「放しやがれ!!」
「ンギギギ…!」   ―バタァン!!!―

「ハリー!」 「「「名前!?」」」

床へ派手にひっくり返った彼らと入れ替わるように、背後から名前が現れた。三人は驚きの表情を揃え名前を呼ぶ。マンダンガス達を半ば飛び越えるように駆け付け、ハリーに飛び込んで強く抱き締めた。

「怪我はない…!?みんな、よかった本当に」
「名前どうして… ほかの皆はどうしてるの?」
「……」

投げかけたハーマイオニーに曇る表情を返すだけで、名前が一人で飛び出したのだと、彼女らしい行動を三人はそれぞれ察した。なんと返そうか迷ってる間に、落ちた片手鍋を棚の上にキチンと戻しながらクリーチャーが口を出す。マンダンガスから名前を遠ざけるように、腕で制しながら。

「"おぼろ"様…決してこのような者にお触れにならないよう、汚れてしまう。……仰せのとおり盗っ人を連れて参りました」
「ッ…」
「"エクスペリアームス"!」
「…」

すかさずハーマイオニーが、マンダンガスの杖を奪う。テーブルを挟んで、マンダンガスはハリー達を警戒した。再会が嬉しいドビーは少し落ち着かない様子で椅子からテーブルへ登り、忙しくハリーの目に入ろうとする。にじり寄られるマンダンガスは、徐々に部屋の隅に追いやられる。

「屋敷しもべをけしかけたな…!しかも三人も」
「ドビーと名前は偶然!ダイアゴン横丁でクリーチャーを見かけ、ハリー・ポッターの名を耳にしたのです」
「わた…」
「クリーチャーはこの盗っ人と話してました」

自分も伝えようとするクリーチャーを押さえつけるようにしてペラペラ話すドビーと、腹を立てる様子のクリーチャー。

「盗っ人じゃねえ!このスットコドッコイ」

部屋の角まで追いやったマンダンガスがドビーに強気な態度をとると、咄嗟にハリーの怖い顔を目に入れ引っ込んだ。クリーチャーは杖を向けてマンダンガスを脅す。奥から、ロンも遅れて加勢した。作戦の夜に裏切られた恨みが、どうしても声に含まれる。

「…俺は珍しいお宝をさばいてるだけだ」
「しらじらしい」

「はっ…ウィーズリー様…!?お会いできて光栄です」
「、いい靴だね」 

―バサバサ…!―

握手を交わし、靴を褒めてくれたロンを嬉しそうにドビーが見ていると、動揺しているマンダンガスが積まれていた新聞を崩し音を上げた。

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