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気を取り直してそう聞けば、一年生から六年生まで混合で三人組に分かれ、指定の場所に忍び込んで、その場所特有のものや、その場所に住む人物の持ち物、または使用しているものを持って、もしくは奪って来ること、というのが大まかなルールのようだった。
「三人組もね、一年生を必ず入れることと、できるだけ同じ学年と組まないこと、っていうのが、最低限のルールなんだって」
そう三反田は言うが、三人組にすると、一年生の数のほうが多くなってしまうから、必ず何チームかは一年生が二人になるのではないだろうか。
だからそこを聞いてみれば、今度は浦風がそれに答えてくれた。

「一年がかぶるとこは特例で、クラスがかぶんなきゃいいんだって。そんで、一年が二人のチームは戦力が下がるから、六年生が請け負うっていう話だよ」
身体能力なんかを考えたら、それはわからなくもないが、桜にとっては他人事ではない。
「……あたしが入っても、戦力は下がるわよね」
足を引っ張らないように頑張るにしても、かなり不安があるのでそう言えば、浦風も三反田も苦笑する。
「桜は、刀があるだろ」
「あと気配にも敏感だし、勉強家で努力家だからね」
浦風と三反田は、それぞれにそう言ってから、示し合わせたように声を合わせて、
「だから大丈夫!」
と、断言するから、実力はどうであれ、背中を押してもらって、俄然やる気が出た。


チームは自分たちで組むものだと思っていたのに、今回は学園長が直々に割り振ってくれたらしく、発表されたものを見て、みんなそれぞれ作戦会議に移ることにしたようだった。
「桜先輩、探しましたよ! こんなところにいらしたんですか!」
どうしたものかと考えていれば、庄左ヱ門がそう声をかけに来てくれた。
チーム分けは同じ委員会であることを中心として、あとは余ってしまった人たちをバランスが取れるように割り振ったみたいで、桜は学級委員長委員会の鉢屋と庄左ヱ門の二人と同じチームだった。
四、五、六年生はバラけ、さらに三年は四年生が筆頭であるチームのほうから割り振られたらしく、人数の都合と実力のなさで、桜が五年生が筆頭のチームであっても問題ないのかもしれなかった。


鉢屋の部屋で作戦会議をするからと、庄左ヱ門に五年生の長屋に連れて行かれたのはいいが、そこに久々知を始め、伊助と池田までもがいたことに桜は驚いた。
「鉢屋先輩。なぜ、久々知先輩のチームが一緒にいらっしゃるんですか?」



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