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side:JUN ARISUGAWA
「遅い。遅すぎるリレ―ションに意味はない」
新入部員歓迎会で見せた、八神と藤原の最高のリレ―ションはあの時が最後だったのかもしれない。
「なにっ…!お前がさっき追いつけなかったから、こっちは手前で減速したんだぞ!」
確かに、前回の時はタイミングがずれて藤原は八神の速さについてこれずに、テイクオ―バ―ゾ―ンとして定めたラインから越えてしまった。失敗に終わったが。
「それが手抜きだと言うんだ……もっと本気でやれ」
藤原がそんな言い分で「 はい、そうですか 」何て言う訳ない。ペットボトルを傾けながら二人の言い合いの行方を見定めていた。
「ぉ、俺は充分本気だっ!お前こそ相手の事何にも考えてねぇだろ!」
的を射抜いてしまったのか。八神はいつになく藤原に食い付いた。おやおや。
「俺はお前の事を信じている」
「しんじてる……って」
それが伝わる男ならその言葉はナイスタイミングだっただろう。だが、言葉足らず過ぎて何一つ伝わっていない上に、今遣う言葉でも何でもない事をそろそろ学んでくれ藤原。あたしはフォロ―しないからな。
キャップをきつめにしめて背中を伸ばすストレッチをし始める。
「あのっごめんね!私の指示が少し遅かったかも……」
「あ、いや桜井さんは悪くないよ!」
桜井が見晴らしのいいリレ―ショナ―のスペ―スから降りて来たようだ。弁解するが八神は桜井に好意的なものでも抱いているのだろう。必至だな……。
「桜井。今のじゃ駄目だ。もっとタイミングをつめろ。ギリギリのッ」
「いいの!今のは俺が悪い」
無理矢理この会話を中断させたのは八神だった。
「暗くなって来たし。リレ―ションはお開きにしたら?桜井」
「そ、だね」
「練習もこれくらいにしておこうぜ」
八神は少し考える素振りを見せた。何か思い当たる節でも何か罰の悪い思い出でも思い出したかのように。そんな様子は藤原にも伝わったのか。
「俺は、もう少し走っている」
マイペ―スに皆から背を向けて走り出す藤原の背中に呼びかける桜井だが。彼女の肩に手を置いて。
「あたしが行くから、アンタらは帰りなよ」
「純……」
トントン と叩いてから藤原の後を追いかけた。その後、後ろで八神が何か言っていたがあたしには届かなかった。
「好きっていうレベル超えてるっていうか……まるで。巴みたいだ」
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「藤原」
追いついて隣に並べば、昔みたいに藤原は少し減速した。
「焦るなよ。忘れているだけだ……それにブランクもあるんだろ、八神の場合。多めにみてやれよ。お前までそんな事やってたら一向に前に進めないぞ」
前を見つめながら一定のリズムで息を吐き出す。
「わかっている……」
余裕のない藤原の少しずれた呼吸音が不安にそうに揺れている気がした。
「気持ち悪いから早く普通に戻ってくれる?何しおらしくしてるんだよ、きも」
そう言い終えると藤原は無言のまま、急激に加速を始めて置いて行かれたので。腹が立ったから追いかけた。
「あたしの前を走るな」
「抜いてみろ」
「望むところだ。あたしの前を走っていいのは祈さんだけだっ!」
「……お前も安定しろ」
キャラ崩れ崩壊注意報が発令していると、藤原に言われて。お前に言われたくないと思ったので、100m走並みの速度で走っていた
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