※くだらないギャグ

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降谷雫はたまにズレている。
過保護な兄のせいなのか、はたまた元々の性格か。

「でも流石にそれはどうかと思います」
「なにが?」

可愛らしく小首を傾げた幼馴染はそれはもう愛らしかった。
幼げな顔に兄の大きいシャツ一枚を着たその下は生足。
彼シャツってこういうこと言うんだろうか。
体格差もあってかパンツが見えない安心感。
かといってしゃがめば見えそうで見えない絶妙な絶対領域。
ゼロが帰って来る前に下をはかせなければ俺は確実に殺される。
思春期の男子にとって非常にありがたい光景も、その後のことを思うと恐怖でしかないのが残念だ。

「そんな格好してたら兄ちゃんに怒られるぞ」

俺が。

「でもひーくんだし大丈夫だよ」
「お前の兄ちゃんは俺にも容赦無いからな」
「そうかな?重要なのは下心があるかないかだと思うよ」

それに。と続けた雫に嫌な予感がした。
たまにズレているこの幼馴染は、ズレているときはとことんズレている。
それが今だ。
何をしでかすか予測不能な状態が生まれている現在、状況が悪化する前にシスコンが帰ってきてくれることを願うことしかできない。
この際殺されてもいいからこれ以上悪化するのだけは避けたい。

「パンツちゃんとはいてるもん」
「ただい…は?」

ほら。と魅惑の絶対領域を自ら破壊し、めくりあげた雫と、最悪なタイミングで帰宅をしたシスコン。
この最悪のフルコンボの中、俺は死を覚悟した。

「言い残すことは?」
「やっぱり俺が悪いのか」
「雫はあとで説教だ」
「ひーくんだからいいじゃん」
「やめろ雫、これ以上悪化させないでくれ」
「だって暑いんだもん!兄さんのシャツ丁度いい長さだったんだもん!家だからいいじゃん!」

俺を見下ろす般若に後ろから抱きつき、ねぇダメ?と可愛らしく見上げた妹にシスコンは何を思ったのだろうか。
っていうかあれわざとか?わざとであって欲しいけど雫だからな…今ズレにズレまくってるからわざととは言い難い。
だとしたらとんだ小悪魔だ。
っていうかぴったり抱きついてるけどあの下ってもしかしてノーブラじゃあ…

「景光?」
「何も考えてません」

エスパーかお前は。

「暑いけど兄さんに抱きつくのは好き」

へらり。
俺は知っている。
ゼロは妹のこの顔に弱い。
にいさんすきー。といつものように甘えてくっつく妹が可愛くてたまらない事を俺は知っている。

「…次はないからな」

そうして妹を抱きかえしながら俺に恐ろしいほど低い声で告げる魔王は今回は見逃してくれたらしい。
よくやった雫。
いや、だいたいお前のせいだったけど、俺も眼福といえば眼福だったし、まぁいいか。

「とりあえず下はちゃんと履かないとダメだろ?」
「短パンでもいい?」
「ああ。だから履いておいで」

そう言って妹を送り出したあと、魔王が告げる。

「どこを殴れば人の記憶は飛ぶんだろうな?」

全然見逃してないだろお前!!!
女子が黄色い悲鳴をあげるような笑顔を向けた男に、俺もまた違う意味で悲鳴をあげることになる。

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馬鹿みたいに騒がしい青春の一ページ
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