○コナン君と外国風挨拶
「外国風挨拶…ってなんかほっぺくっつけたりハグしたりするあれ?」
「うん、多分そうだと思う」
どうやらこの部屋を出るにはそれをしなくてはならないらしい。
ぷにぷにの小学一年生のほっぺに触れるというだけでもお巡りさん案件になるんじゃ…と不安なのに、なんという条件をつけてくれたのだろうか。
「私捕まらないかな」
「いや、さすがに大丈夫でしょ」
まぁ、本人が言うのなら大丈夫だよね。
「よいしょ、と」
膝を折って目線を合わせてから、ハグをすれば、細い腕が背中へ回される。
うわぁ、子供ってこんなに小さかったのか。
普段見てても小さいって思うけど、ハグをすると余計にその大きさを実感する。
この子こんな小さな体で無茶しまっくってるとか、先生は心配でしょうがないです。
「ほっぺぎゅー」
「雫さん意外とノリノリだね」
「折角だし外人気分もいいかなって。ほら、コナン君もやろうよ、次反対側ね」
「はいはい…ぎゅー」
ぺたり。
なんか軽くあしらわれた気もしなくはないが、ノってくれたのが嬉しかった。
「ほら、雫さん開いたよ」
「じゃあこのまま抱っこして運んであげるよ」
「僕一人で歩けるから平気だよ!」
「子供が遠慮なんてするもんじゃないよ」
じたばたと抵抗する体を抱き上げれば、落ちたくないらしい彼は腕の中で大人しくなった。
むっすりと拗ねた顔に笑って頭を撫でれば怒られてしまった。
ごめんごめん、普段とは違う本当に子供っぽい一面がかわいかったものだからつい。
閉じ込められた時はめんどくさいって思ったけど、こういうのも案外悪くない。
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