※学生時代の降谷兄妹

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「重い?」
「重くない」

ベッドでうつ伏せに寝転んでいた兄さんの背中に重なるようにくっつけば、あっさりと返された。
そろりと脇腹付近に手を伸ばせば、しっかりと筋肉が付いているのが分かる。

「…カチカチになっていく…」
「なんだその言い方」
「こんなにベビーフェイスのイケメンなのに、体はムキムキ…」

かっこいいけど、どちらかと言えば童顔の可愛い系のイケメンなのに、体は鍛えてることもあって割とガチガチなのがギャップ過ぎて妹は複雑です。
ちょっと割れてるってレベルじゃないもんこれ。
ガチなやつだもん。

「ううっ、私の兄さんがどんどんマッチョになっていく…」
「嫌なのか?」
「そうじゃないけど、もっと背が伸びてムキムキマッチョになったら怖いなぁって…ボクサーくらいの絞られた筋肉なら別だけど」

プロレスラーとかボディービルダー系の筋肉はちょっと怖い。

「顔はこんなに甘くてチャラいベビーフェイスなのに…」
「怒るぞ」

ぺっとりと広い背中に頬を付ければ、やっぱり小さい頃のような柔らかい体とは程遠かった。
こうして筋肉ダルマへとなっていくのかと将来を悲しんでいると、ぐらりと揺れる体。
落とされそうになって慌ててしがみつけば、逞しくなった腕に体を抱きしめられて、気付けば仰向けになった兄さんに抱え込まれていた。
ぴったりとくっついたお腹同士。
言うまでもなく兄さんの腹筋は硬かった。

「雫は柔らかいな」
「怒るよ」

なんならセクハラだし女の子はマシュマロでできていること知らないのかこの男は。
マシュマロだからその発言は女性には禁句なんだぞ。

「お前だって成長したって話だよ」

人を抱き枕みたいに抱き締めて笑った兄さん。

「…敢えてどこがとは聞かない方がいい?」
「さあ?」

対して急成長を遂げた訳でもない胸だけど、柔らかいと思われる程度には成長したのだろう。
…まぁいいや。

「…ねむくなってきた」
「じゃあこのまま寝るか」
「にいさんはあったかくてきもちいいいね」
「雫もたいして変わらないよ」

トトロの上でお昼寝していたメイはこんな気持ちだったのだろうか。
トトロにしてはムキムキだけど、心地よさなら兄さんだって負けてないだろう。
何より優しく頭を撫でる手が、どうしようもなく気持ちよくて、気づかぬうちに寝てしまうのだ。







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