各学年毎に張り出されるテスト結果。
普段は目を向けることすらしない他学年の結果表に目を向けて、あいつの名前を探していた。
…なにやってんだろうな、俺は。
それでも体が勝手に動いたんだから仕方ない。
「…苗字名前」
その名前の横には一位の文字。
思わず握りしめた自分の手に、なんで俺が喜んでるんだと慌てておろした。
けれど直ぐに探してしまうのはあいつの姿。
忠犬忠犬と言うが、いつの間にか手綱を握られていたのはこちらのような気がするのは気のせいだ。
何故俺があいつに振り回されなければいけないんだ。
結局あいつの姿を見つけることは出来なかった上に、すれ違うことすらなかった俺は忠犬を褒めることすらできなかったわけだ。
「…ご褒美、買ってやるんだったな」
「お、ペットかなんか飼ったのか?」
「ああ、出来のいい犬だよ」
呟きを拾った友人にそう返せば、今度俺にも見せてくれと言われ適当に返事を返した。
さて、あいつは何を喜ぶだろうか。
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